2008 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓リハビリテーションの基礎的検証:心血管系合併症抑制効果の機序解明
Project/Area Number |
20300184
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上月 正博 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60282050)
伊藤 修 東北大学, 病院, 講師 (00361072)
佐藤 寿伸 東北大学, 病院, 准教授 (50312583)
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Keywords | 腎臓リハビリテーション / 慢性腎不全モデルラット / 長期的運動 / インスリン感受性 / 心血管系合併症 / 高血圧 |
Research Abstract |
WKYラットを手術し、5/6腎摘慢性腎不全モデルを作成した。全てのラットは代謝ケージで飼育した。ラットを以下の3群に分け、12週間の治療を行った。(1)偽手術群、(2)非運動群、(3)長期的運動群。長期的運動群にはラット用トレッドミル装置を用いて、速度20m/分の走行運動を1日1回60分間、1週間に5日間、計12週間行った。長期的運動療法開始前および開始後12週間にわたって定期的に体重、収縮期血圧、摂食量、尿量、24時間尿蛋白排泄量、運動負荷試験による酸素摂取量および運動耐容能の指標として総走行距離を測定した。最終週に、グルコースクランプ法およびパワースペクトル法を用いてインスリン感受性および交感神経活性を測定した。その後に断頭採血を行い、腎機能の指標、血球数、脂質、電解質、糖、総蛋白を測定した。残存腎およびヒラメ筋、長趾伸筋、ヒ腹筋を摘出し、病理組織学的検討を開始した。 その結果、偽手術群に比較して非運動群には明らかな腎機能障害、腎組織傷害、蛋白尿、高血圧、運動耐容能低下、インスリン感受性低下を認めた。一方、長期的運動療法により収縮期血圧は降下し、インスリン感受性の指標は改善した。 以上より、まだ解析は半ばであるが、長期的運動療法によるインスリン感受性の改善効果を確認し、心血管系合併症抑制効果のメカニズムを明らかにする有力な手がかりが得られた。
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