2010 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ヘルスケアのための便器内蔵型光学式尿成分自動計測システムの開発
Project/Area Number |
20300195
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 志信 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40242218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山越 憲一 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40014310)
野川 雅道 金沢大学, 機械工学系, 助教 (40292445)
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Keywords | 在宅長期ヘルスケア / 生活習慣病予防 / 糖尿病 / 近赤外吸収スペクトル / ケモメトリクス / 尿中グルコース濃度 |
Research Abstract |
昨年度構築したフローセル型簡易分光システムを用いて生体尿におけるグルコース濃度予測実験を行った。被験者は健常成人9名(男性、22-23歳)で、早朝尿200mlを採取し濃度範囲0~500mg/dlのグルコース添加尿サンプルを調製した。サンプル数は被験者1名あたり33個で、これらを検量線構築用の26個と濃度予測用の7個に分け、各サンプルの近赤外吸収スペクトル(波長範囲:858-1746nm,理論波長分解能:1.73nm)を計測した。これらと予め計測しておいた溶媒(水)の吸収スペクトルから差分吸光度スペクトルを求め、PLS回帰法(潜在変数:15)によりグルコース濃度予測を行った。その結果、平均予測誤差:SEP=57.2mg/dl、相関係数:γ=0.926を得、単一被験者の場合は十分実用可能な精度で尿中グルコース濃度が予測できることが確認された。 一方、9名の被験者全員のサンプルを用いて、この中から8名分のデータで検量線を構築し、残り1名のデータで濃度予測したところ、あらゆる組み合わせにおいてSEPは100mg/dl以上、γの値は0.4~色7と予測精度が低下した。その原因を精査したところ、尿中の生理的濃度が0~数千mg/dlと大幅に変化する『尿素』に起因するものと推定された。 そこで測定精度向上には尿素濃度を既知とすることが不可欠と考え、尿中の尿素濃度を計測する波長を種々検討した。その結果、物理モデル(いわゆるLambert-Beer則)が成り立つ波長域を近赤外領域に見出し、尿素水溶液を用いて得た検量線を使って尿中の尿素濃度を予測可能(SEP=516mg/dl,γ=0.904)であることを確認した。 以上の結果を受け、尿中グルコース濃度測定のために必要な波長を次の様に選定したく具体的な数値については特許申請準備中のため省略)。 グルコース検出用:2種、尿素検出用:1種、規格化用:2種 一方、サンプル移送のための流路制御システムについては、小型ローラーポンプ及び制御用の3方電磁弁を含むプロトタイプ回路を作成し基本的な動作確認を行った。
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Research Products
(17 results)