2010 Fiscal Year Annual Research Report
Cybernetic orthosisの開発とニューロ・リハビリテーション
Project/Area Number |
20300198
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
原 行弘 日本医科大学, 医学部, 教授 (20198899)
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Keywords | リハビリテーション / 神経科学 / 脳神経疾患 / 機能的電気成樹 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
小型携帯型の筋電比例式機能的電気刺激装置(パワーアシストタイプ)を、イクシスリサーチ社に製作依頼し意見交換を行ったうえで完成した小型携帯型基盤(大きさ4×7cm、厚さ1cm)を、前腕部にフィッティングのよいスリーブ(レオタードの素材で作製)に内蔵したものを実際に脳卒中患者に適応してみた。スリーブの内側にはメッシュ素材の布を装着し、表面電極の固定位置を変えられるようにしてあり、さらに電極を金属不織布で覆うことでノイズ除去を行う工夫がほどこされている。装着の困難さを解決するため、スリーブを装着してから開窓式の表面電極の固定部分を装着する二段階装着方式とし、表面電極が常に一定の位置に固定されて標的筋肉のモーターポイントに接触するように作製されている。電気刺激装置のチャンネル1は、同一の電極で筋電信号記録と電気刺激を兼用するチャンネルである。記録電極は1チャンネルであるが、電気刺激は2チャンネル以上の同時刺激が可能となるように設定する。若干の動作不安定性があり、電気刺激回路の設定変更も考慮する必要性が感じられたが、携帯性に優れる点は被験者に好評であった。また、被験者の前腕部サイズに合わせたオーダーメイドスリーブを作成しないと、表面電極の密着性が不十分となるフィッティングの問題が再確認された。さらに肩拳上用の電気刺激用肩スリーブを数種類作成したが、装着の簡便性に問題が残り、今後の課題である。近赤外光脳機能装置によって脳機能を評価したところ、筋電比例式機能的電気刺激により障害側運動野の脳血流が賦活される傾向が認められた。筋電比例式機能的電気刺激装置内蔵スリーブを装着し、日常生活における長時間使用によって、障害側運動野の脳血流が賦活されることで片麻痺の改善が期待されると思われる。
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