2008 Fiscal Year Annual Research Report
皮質脳波信号処理に基づく運動・言語の脳-コンピュータインターフェイスの開発
Project/Area Number |
20300199
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
加藤 天美 Kinki University, 医学部, 教授 (00233776)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 雅之 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30372626)
|
Keywords | 事象関連脱同期 / 皮質脳波 / 脳-コンピュータインターフェイス / 微小神経回路 / てんかん源性 / 脳磁図 / 運動企図 / 運動賦活 |
Research Abstract |
本年度、機能的脳神経外科疾患、特に、軽度脳虚血、てんかん手術対象患者を対象に、脳機能と頭皮脳波、皮質脳波、MEG、PETの解析を行った。とくに、難治性てんかんや機能領域の脳腫瘍手術患者を対象に標準的治療の一環として、インフォームドコンセントのもと、開頭手術で硬膜下にグリッド電極を設置し、運動・言語課題遂行時の皮質脳波信号を収集した。 まず、難治性てんかんを対象とした研究では、神経回路異常との関係を解明しうるベンゾジアゼピンレセプターの分布を画像化するイオマゼニールによるPET解析を行った。 さらに、64チャンネルの多電極システムを用い、標本として摘出したヒトの海馬や脳皮質スライスを対象に、微細多電極刺激・誘発電位を解析し、細胞構築と神経ネットワークの病態相関の検討を始めた。まだ予備的な結果であるが、海馬において、大きな誘発電位を示す細胞集団を認め、これとてんかん源性との相関を解析している(一部は解剖学近畿地方会で発表)。 ついで、循環予備能の低下として捉えられ、安静時には脳血流低下を示さない程度の軽度の脳虚血状態において、MEGを利用した運動野皮質律動(β帯域脱同期)の異常を検討した。これは、麻痺などの神経症状を来さない、いわゆるサブクリニカルな脳虚血といえるが、運動課題を遂行させると、運動野において同側脳賦活など、皮質律動異常が認められた。脳血管形成など脳血流を正常化させるとこれら皮質律動異常は正常化した。脳律動を解析することで、サブクリニカルな脳機能障害をも診断できる可能性を明らかにした。
|
Research Products
(6 results)