2008 Fiscal Year Annual Research Report
後期高齢者にも有効な脚筋力養成型ウォーキング手法の開発と健康づくり応用
Project/Area Number |
20300206
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川初 清典 Hokkaido University, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (80026822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 孝一 北海道大学, 大学院・情報研究科, 教授 (30125322)
井上 馨 北海道大学, 医学部, 教授 (80133718)
横山 眞太郎 北海道大学, 工学研究科, 教授 (90002279)
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Keywords | 筋電図 / 酸素摂取量 / 心拍数 / 動作分析 / シミュレーション |
Research Abstract |
後期高齢者では従来から提案されていた中高年者向きの脚筋トレーニング手法やジョギングが不適当であるとの観点に立ち、本研究では近年一般的なウォーキングが健康づくり運動として普及を見せている点に着目してその脚筋力養成応用手法の開発を目的とした。脚筋力を養成するためには脚力に対してそれに見合う負荷強度を課す必要があり、そのために通常のウォーキングよりも重心を低くして踏み込みと蹴り出しを強調する新しいウォーキングフォームを考案した。 今年度はその基礎的検討を中心的に行った。先ず健康成人を対象としてこのウォーキングフォームを習得させ複数台の高速度赤外線ビデオカメラ撮影によりそのモーションキャプションを行った。この動作計測は通常の自然歩行、厚生労働省が健康づくり指針の中で推奨している健康ウォーキング(重心を高くして伸膝踵着地による)、一般にブリスク・ウォーキングと称される競歩に似た歩き方についても実施した。また、各々の歩行では同時に3方向の床反力と下肢筋の皮膚表面筋電図も計測した。以上の計測から、考案手法では通常歩行や健康ウォーキング時に較べて股関節の屈伸を拡大して大腿骨の移動量を増加すること、特に垂直成分の床反力が大きくなること、大腿諸筋の筋電気的活動が高まることが観療された。 これらの観察事項は、考案手法が従来の各ウォーキングに較べて筋力トレーニング効果を多く期待できる論拠を成す。通常歩行は筋力トレーニングに不足であり、健康ウォーキングは有酵素性運動を指向しているのに対し、筋力増強型と言える本手法はウォーキングなのでいつでもどこでも、そして誰でも、従って後期高齢者でも容易に可能であり、転倒予防や介護予防に役する意義が考えられる。
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Research Products
(3 results)