2011 Fiscal Year Annual Research Report
温熱刺激による骨格筋肥大の分子機構の解明とスポーツ科学への応用
Project/Area Number |
20300218
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
後藤 勝正 (山下 勝正) 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (70239961)
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Keywords | 骨格筋 / 温熱 / ストレス応答 / 遺伝子改変動物 / 熱ショックファクター1 |
Research Abstract |
積極的な健康増進、生活習慣病の予防と改善そして介護予防の観点から、身体運動により筋機能(筋力)を維持増強する重要性が指摘されている。そこで本研究では、温熱刺激による骨格筋肥大の分子機構の全貌を解明し、効果的かつ効率的な骨格筋肥大法および加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)の予防・改善策を提示することで、スポーツ科学を飛躍的に発展させることを目的とする。本研究は4年計画で実施され、本年度はその4年目で最終年度に当たる。マウス骨格筋におけるストレス応答において中心的な役割を担っている熱ショックファクター1(HSF1)を欠損したマウスを用いた検討により、HSF1欠損によりヒラメ筋におけるミオシン重鎖の組成に変化が生じ、type Iが減少し、type IIxが増加していた。また、筋萎縮に伴い野生型では筋線維の速筋化が生じるが、HSF1欠損により速筋化が完全に抑制された。したがって、ミオシン重差の発現調節にHSF1あるいはHSF1を介したストレス応答が重要な働きを演じている可能性が示唆された。荷重除去による筋萎縮に伴い骨格筋可塑性の発現調節に係るmicroRNA(miR)-1、miR-206およびmiR-499の発現量が低下し、萎縮後の再成長に伴いmiR-206およびmiR-499の発現増加が観察された。さらに、温熱負荷による骨格筋肥大はHSF1欠損により抑制された。温熱刺激による筋肥大に伴い、糖脂質代謝に係るadiponectinの骨格筋組織内発現量が変化することが明らかとなった。以上より、温熱刺激による骨格筋肥大において「HSF1」あるいは「HSF1を介したストレス応答」が鍵となり、骨格筋タンパク増量をもたらすシグナルの形成に関与すること示唆された。したがって、適切な温熱刺激(ストレス刺激)は骨格筋肥大を引き起こす有効なツールであることが明らかとなった。
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Research Products
(39 results)
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[Journal Article] Adaptation of Mouse Skeletal Muscle to Long-Term Microgravity in the MDS Mission2012
Author(s)
Sandona, D., Desaphy, J.-F., Camerino, G. M., Bianchini, E., Ciciliot, S., Danieli-Betto, D., Dobrowolny, G., Furlan, S., Germinario, E., Goto, K., Gutsmann, M., Kawano, F., Nakai, N., Ohira, T., Ohno, Y., Picard, A., Salanova, M., Schiffl, G., Blottner
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 7
Pages: 33232
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Absence of heat shock transcription factor 1 retards the regrowth of atrophied soleus muscle in mice2011
Author(s)
Yasuhara, K., Ohno, Y., Kojima, A., Uehara, K., Beppu, M., Sugiura, T., Fujimoto, M., Nakai, A., Ohira, Y., Yoshioka, T., and Goto, K.
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Journal Title
J. Appl. Physiol.
Volume: 111
Pages: 1142-1149
DOI
Peer Reviewed
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