2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動に伴う免疫系の変動のメカニズムとその意義に関する研究
Project/Area Number |
20300226
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永富 良一 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 教授 (20208028)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 展 東北大学, 大学院・医工学研究科, 准教授 (10272262)
|
Keywords | 骨格筋 / LPS / TLR / 平滑筋 / 筋損傷 / 炎症 |
Research Abstract |
本研究で取り組んでいる課題は以下の2テーマである。 1)骨格筋と免疫系の関連 2)腸管免疫と運動の関連 当初、両課題は骨格筋、腸管それぞれにおけるサイトカイン分泌のパターン変化から意義を考える課題であったが、単に骨格筋収縮だけあるいはストレス応答下の腸管からケモカインの分泌は起こるが、炎症細胞などの集積を起こすには濃度範囲が低いことがわかった。そこで免疫系が生体に対する侵襲あるいは外来異物の侵入をきっかけに始動することから、それぞれ、骨格筋は損傷、腸管は細菌あるいは腸内細菌の成分を投与し、それに対する応答と運動・ストレスによる変化を調べてみた。その結果 1)腸内細菌の除去は骨格筋の損傷に伴う炎症から修復再生に到る過程を著しく遅延させること。グラム陰性菌細胞壁成分であるリポ多糖体(LPS)の経口投与により遅延が回復することを明らかにした。 2)LPSの受容体TLR4は腸管においてマクロファージおよび平滑筋に豊富に発現している。そこで平滑筋TLR4の役割を明らかにするためにマクロファージを除去した上で、平滑筋の収縮機能に与えるLPSの効果を調べてみた。その結果マクロファージを除去してもなおLPSに対する腸管暴露は腸管運動を著しく抑制することが明らかになった。 以上より腸管における免疫標的認識は、腸の機能および骨格筋の修復を通じて運動機能および運動に対する適応に深く関与していることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)