2008 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズムの撹乱により誘導される発癌の分子メカニズム解明と発癌予防法の開発
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20300229
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
大谷 直子 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所がん生物部, 主任研究員 (50275195)
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Keywords | 慨日リズム / 発癌 / p53 / RB / イメージング |
Research Abstract |
概日リズムが消失すると、様々な癌が起こりやすくなることが疫学データから示唆されているが、その分子メカニズムは十分に明らかになっていない。近年の研究から、細胞に発癌の危険性がある異常が生じると、細胞に備わっている発癌防御機構であるp53制御経路、p16^<INK4a>-RB制御経路が活性化されることが明らかになってきた。我々はマウスの生体内におけるp53制御経路、p16^<INK4a>-RB制御経路の活性をリアルタイムにイメージングできるシステムを開発した。本研究ではこのシステムを用いて、概日リズムの撹乱により、生体内のどこで、いつ、発癌の危険性が高まるのかを時空間的に解析し、概日リズムの撹乱により誘導される発癌リスクの分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。 平成20年度には、概日リズム撹乱の条件下で用いる様々な発癌系の立ち上げを行った。具体的にはDMBA-TPA皮膚化学発癌、AOM-DSS大腸化学発癌、neonatal-skinにDMBAを塗布する発癌系等の化学発癌系の他、腫瘍を発症しやすい遺伝子バックグラウンドの2種類のノックアウトマウスを交配させ、効率良く発癌を起こさせる系を確立した。 本研究においては、生後まもなくから、12時間可視光線下で飼育し12時間消灯する通常の環境下(Light and Dark,LD群とする)で飼育する群と、出生時から24時間可視光線下で飼育するようにする(Light and Light,LL群とする)群、出生時から暗い環境下で飼育するDD群に分けて、上記の発癌実験を行う予定なので、neonatal-skinにDMBAを塗布する化学発癌系、腫瘍を発症しやすい遺伝子バックグラウンドのマウスを用いた発癌系が適していると考えられた。
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Research Products
(3 results)