2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳内アミノ酸バランス異常による認知症発症機構の解明
Project/Area Number |
20300245
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中川 敏幸 岐阜大学, 医科系研究科, 教授 (00271502)
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Keywords | プレセニリン / ガンマ-セクレターゼ / アルツハイマー病 / オートファジー / 小胞体ストレス / food intake experiment / ATF4 / レスベラトロール |
Research Abstract |
【目的】高齢化社会の現代において、認知症の発症率は高く、日本における発症者は約160万人と推定されている。その中で、アルツハイマー病は120万人を超え、急速に増加している。しかし、治療法や予防法が確立していないため、介護による経済的および人的負担が増大し、社会問題になっている。アルツハイマー病の病態として、アミロイド説が有力であり、アミロイド-βは神経毒性を示す。しかし、明らかな遺伝子変異を伴わないアルツハイマー病が90%以上であることから、アミロイド-β産生亢進に関与する分子機構の解明を目指した研究が、世界中で進められている。そこで、研究代表者らは、必須アミノ酸バランスの乱れにより、ストレス応答シグナルが活性化され、アミロイド-βの産生が亢進することを明らかにした(BBRC2007,Autophagy2010)。 本研究では、この先行研究を発展させ、生体脳におけるアミノ酸バランスとアミロイド-β産生との関連性を解明し、新規の治療薬および予防法開発の基盤となる知見を得ることを目的とする。 【研究実績】 a) レスベラトロール投与により、ロイシン欠乏食を与えたマウス脳内においてプレセニリンの発現増加が抑制されることを明らかにした。 b) in vitro即およびin vivoにおいて、小胞体ストレス刺激がアミノ酸バランスの乱れによるストレス応答シグナルと同様にATF4を介し、ガンマ-セクレターゼを活性化することを明らかにした。 以上の成果の一部は、米国神経科学学会において発表した。
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