2009 Fiscal Year Annual Research Report
教師の専門性を継続的に発達支援する学校学習システムに関する実証的研究
Project/Area Number |
20300275
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野嶋 栄一郎 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (20000086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 教至 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (20018823)
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Keywords | 校内研修 / 職能発達 / 校システム |
Research Abstract |
平成21年度は、(1)リフレクションを中心とした授業改善支援、(2)学校内部において教師が育成される学校学習システムの開発に焦点化し、研究を行った。 授業改善支援に関しては、平成21年7月から9月にかけて、若手教師と中堅教師の算数授業場面を撮影し、その映像記録に基づきながら、授業研究会を行った。授業研究会には、研究者も参画しながら、授業のリフレクションを行った。その結果、若手・中堅を介した協働的な学びとしての授業研究会の場が形成され、アクションリサーチ型の授業研究の枠組みの提案の可能性も示唆された。今後は、電子黒板なとのICT機器を用いた授業などにも転用しながら、研究枠組みの強化が必要になると考えられる。 学校内部におけて教師が育成される学校学習システムの開発に関しては、平成21年度は、学校の現状や仕組みを理解するためにデータ収集を中心に行った。具体的には、平成21年9月から平成22年2月にかけて、千葉県館山市立北条小学校を対象に、管理職教員をふくむ教師12名に対して半構造化インタビューを用いた聞き取り調査を行った。聞き取りの観点は、管理職教員に関しては、学校運営に関する事項や教員間の関係性が中心であり、学級担任を持つ教師に対しては、学年運営や学級運営、教師の関係性が中心であった。聞き取りの結果として、学校の組織的な運営と教師の育成に関わる次元として、1)学校独自のカリキュラムを維持発展させるための「学校資源の蓄積」、2)学年組織における教師間の関係に関わる「学年集団」、3)授業開発やカリキュラム検討を行う「教科集団」の3つが探索的に見出された。今後の課題として、探索的に得られた情報をより精密なものにするための検討および次元ごとに存在する要素間の関係に関してもより詳細な検討が必要であると考えられる。
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