2009 Fiscal Year Annual Research Report
文字認知障害者のセンター試験の受験を可能にするバーコード・リーダ音声問題の開発
Project/Area Number |
20300282
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
藤芳 衛 The National Center for University Entrance Examinations, 研究開発部, 名誉教授 (20190085)
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 読字障害者 / 中途失明者 / 弱視者 / 大学入試センター試験 / 見えない2次元コード / 文書構造 / マルチモーダル問題 |
Research Abstract |
文字認知に障害を有する読字障害者、中途失明者及び重度の弱視者の大学入試センター試験等の受験を可能にするため見えない2次元コードを活用して2つの新たなテスト・メディアを開発するとともに、その実用化を研究した。 平成21年度は、平成20年度に重度の読字障害者及び中途失明者のために開発した文書構造表方式の音声問題の作成技術を応用して、新たに、通常文字または拡大文字の問題冊子だけでは問題を読むことが困難な比較的重度の読字障害者及び重度の弱視者のために文字と音声のマルチモーダル問題を開発した。問題冊子の漢字仮名交じり文に見えない2次元コードを一緒に重ねて印刷した問題文を音声ICプレイヤ先端のコード・リーダで直接タッチすると音声が再生される。視覚と聴覚の2つのモダリティを任意に活用して問題を効率的に読むことが可能となる。 この2つのテスト・メディアを実用化するため次の研究を行った。 (1)国語・英語・数学の3教科について最適な文書構造表及びマルチモーダル冊子の作成方法と問題の朗読方法を研究した。 (2)作成作業の効率化とコスト削減及びセキュリティの向上に資するため肉声に替えて合成音声の利用の可能性を検討した。 (3)音声ICプレイヤに1倍速・1.5倍速・2倍速等、音声の再生話速度を切り替える機能を実装した。 (4)センター試験の過去問の音声問題を作成し、文字問題と音声問題のデータ・ベース構築作業を進めた。 (5)第2次評価実験を実施した。点字使用の視覚障害高校生17名、弱視高校生10名のテスト・データを収集し、この2つのテスト・メディアが得点と解答速度に及ぼす効果を分析した。 第2次評価実験の結果、この2つのテスト・メディアは、文字認知に障害を有する読字障害者、中途失明者及び重度の弱視者のセンター試験等の受験を可能にする実用性の高い方式であることが見いだされた。
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Research Products
(4 results)