2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310008
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松見 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (30209605)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 智喜 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (40377784)
|
Keywords | 二酸化炭素 / 気球計測 / 地球温暖化 / 赤外吸収 / 温室効果気体 / 気球センサ / 機器開発 / 高度分布 |
Research Abstract |
気球搭載用の二酸化炭素計測装置の開発を行い、気球試験を行った。非分散型光吸収測定法に基づくCO2センサの光源にはフィラメントタイプのHELIOWORKS製EP-3963の赤外光源を用いている。光源で発生した赤外線は金メッキした長さ120mmの光吸収セルであるガラス管の内部を管壁面で反射しながら進むようにしている。受光部にはCO2の赤外吸収のない4.0μmと赤外吸収の存在する4.3μmの二波長の光学干渉フィルタを通してサーモパイルで計測した。370ppmと400ppmの二つの参照ガスを搭載して放球する。参照ガスは20リッターのテドラーバッグ2個に入れ、さらに発泡スチロールの箱に入れた。外気、370ppm、400ppmの標準ガスが交代で電磁バルブで切り替えられて、光吸収測定セルに導入されるようにした。気球ではCO2センサとGPS気象ゾンデを併載して、CO2センサからの信号をGPS気象ゾンデに送り、気象データと一緒に400MHzの電波通信で地上で受信した。平成23年1月7日には群馬県伊勢崎市の明星電気本社工場、千葉県市原市玉前公園、千葉県九十九里浜白子海岸の3か所で同時に1個ずつCO2ゾンデ気球を上げた。また、平成23年1月31日および2月1目の13:00に、茨城県守谷市でCO2ゾンデ気球気球を上げて、CO2濃度鉛直分布の計測を行った。地上から10kmまでのCO2の濃度の高度分布を300m程度の高度分解能で測定でき、また精度も1ppm程度になった。また、大きさもW280xH150xD280mmとなり、重量は1000gでゴム気球で充分上げることができるものとなっている。気象ゾンデと併載可能であり、上空でデータを無線により確実に受けることができた。CO2気球ゾンデの開発の当初の目標をクリアした。これにより地球温暖化の最も重要な原因物質である二酸化炭素についても気球ゾンデ観測が可能になり、将来の気候変化の予測の精度を飛躍的に高めることが期待される。
|