2009 Fiscal Year Annual Research Report
北極海の定量的環境復元とグローバルな気候変動との関連性解明に関する研究
Project/Area Number |
20310011
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大串 健一 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10312802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 昌男 国立環境研究所, 北学環境研究領域, 研究員 (50344289)
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Keywords | 古海洋 / 北極海 / 第四紀 |
Research Abstract |
本年度は北極海での海底堆積物試料採取およびプランクトンネット調査を実施した.海洋地球研究船「みらい」の北極海航海MR09-03 Leg.2(9月7日~10月15日)においてピストンコアラーによる海底コア採取を実施した.海底コアは3サイトから計5本の採取に成功した.そのコアのうちMR09-03 PC03コアは北緯76°を超えた観測点で採取することができた.よって,これまで海氷があるため採取できなかった海域から海底コアを得ることができたため貴重なデータが得られると期待される.得られた海底コアはコア長約5m~9mのシルト質粘土からなり,部分的に漂流岩屑やラミナ層を挟在する.全体的にオリーブグレー色のシルト質粘土層が卓越する.その岩相は氷期の層準と考えられ,海水準低下などの影響を受けた堆積相変化の影響と推測される.採取水深は350m~1200mの範囲である.この水深範囲には,シービームやSBPなどの海底の音波探査結果により氷河または氷山による削剥地形が確認された.このため本海域では氷期から急激に温暖化することにより劇的に環境が変化したことが明らかとなった. さらに本研究では,プランクトンネットにより計7観測点において生体浮遊性有孔虫および放散虫,珪藻の試料採取を実施した.プランクトン調査のうち1サイトのみで水深1000mまでの深層調査を行った.これまでの研究では北極海におけるその水深の生体放散虫の情報はないため,深海に生息する放散虫の情報を初めて提供することが期待される.
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