2010 Fiscal Year Annual Research Report
北極海の定量的環境復元とグローバルな気候変動との関連性解明に関する研究
Project/Area Number |
20310011
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大串 健一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10312802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 昌男 国立環境研究所, 化学環境研究領域, 研究員 (50344289)
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Keywords | 海洋科学 / 環境変動 / 気候変動 / 極地 / 環境定量化・予測 |
Research Abstract |
本研究では、最新の古海洋復元プロキシーを駆使し、古海洋データの空白域である北極海において、現在よりも2℃温暖であったと推定されている最終間氷期の古海洋記録を定量的に復元することを目的とする。特に,水温,塩分の定量値,季節海氷の有無,生物生産を高時間精度で復元し、海洋表層から深層にかけての海洋構造・水質変化を明らかにし,北極圏の温暖化による環境変動予測のための知見の取得をめざす。本年度は昨年度の海洋地球研究船「みらい」の北極海航海MR09-03Leg.2において採取に成功した海底コアの分析を継続的に行った。これら海底コアは3サイトから計5本の採取に成功したが、PCO1コアについては、有機炭素、生物源オパール、炭酸塩含有量および古地磁気測定を実施した。これらの分析により本コアが最低過去1回の間氷期の層準を含むことが明らかとなった。温暖期と考えられる層準では、炭酸塩含有量が上昇し、明瞭な岩相変化が確認された。この間氷期の層準が最終間氷期であるかどうかが重要であり、それを確認するため、PCO2コアについて光ルミネッセンス年代測定用に前処理が継続的になされている。有孔虫化石については著しく産出量が少なく、分析可能な層準が限定的であることが明らかとなった。PCO3コアは北緯76゜を超えた観測点で採取することができた、日本の研究船としては最北点記録となる貴重な試料であるが、放射性炭素年代分析用に浮遊性有孔虫化石の有無の確認を行った。
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[Presentation] Holocene to last glacial ITF variability2010
Author(s)
Obrochta S., Yokoyama Y., S.Sakai, S., Kimoto, K., Inoue, M., Ohkushi, K., Amakawa, H., Kawahata, H.
Organizer
2010 PAGES Regional Workshop in Japan
Place of Presentation
名古屋大学(愛知県)
Year and Date
2010-06-06