2008 Fiscal Year Annual Research Report
南極海におけるペンギン類の長期生態変動メカニズムの解明
Project/Area Number |
20310016
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
高橋 晃周 National Institute of Polar Research, 研究教育系, 准教授 (40413918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 高大 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (90455189)
佐藤 克文 東京大学, 海洋研究所, 准教授 (50300695)
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Keywords | 海洋生態 / 環境変動 / 動物行動 / 極域科学 / データロガー / バイオロギング |
Research Abstract |
本研究は、南極海海洋生態系の主要構成種であるペンギン類について、海洋環境の変動により長期的な個体数・生態の変動が生じるメカニズムを明らかにすることを目的としている。具体的には、ペンギン類の採餌・繁殖にとって重要な海洋環境特性を、近年の個体数動向が異なっている西南極地域と東南極地域の両方で調査し比較することで、地域的な海洋環境の変化とペンギンの個体数・生態変動との関係を明らかにする内容となっている。今年度は、ペンギン類の採餌生態に関する野外調査を、西南極地域にある英国サウスジョージア・バード島基地と東南極地域フランス・ケルゲレン島基地の2カ所で行った。GPSデータロガー、画像データロガー、加速度データロガーといった動物装着型の記録計をマカロニペンギン、ジェンツーペンギンに装着し、これらペンギン類の移動軌跡や採餌深度に関する情報を取得した。南極海に生息するペンギン類について、GPSによる高精度・高時間分解能で移動軌跡が得られた事例はほとんどなく、これらペンギン類の詳細な海洋環境利用が明らかになると期待される。また、今年度は西南極地域のキングジョージ島で得られているジェンツーペンギンの潜水行動・画像情報データの解析も実施した。キングジョージ島周辺の水深の浅い(<100m)海底でジェンツーペンギンがナンキョクオキアミを頻繁に補食しており、南極沿岸の底層域がジェンツーペンギンの採餌にとって重要なハビタットとなっていることを明らかとなった(Takahashi et al.2008)。
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