2008 Fiscal Year Annual Research Report
水環境における懸念物質プライオリティリストの作成と総合モニタリングへの展開
Project/Area Number |
20310018
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
亀屋 隆志 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究科(研究院), 准教授 (70262467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 剛 国立大学法人横浜国立大学, 安心・安全の科学研究教育センター, 准教授 (60293172)
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Keywords | 水環境 / 化学物質管理 / 環境モニタリング / 一斉分析 / 生態毒性試験 |
Research Abstract |
事業所からの化学物質の環境への排出量の届出情報および国が推計した排出量情報(PRTR情報)を活用し,地域ごとの優先管理プライオリティリストの作成に着手した。特に,農薬については,国内で登録され販売されている全ての農薬について,地域ごとの使用量や適用作物の種類,適用先や散布量などを情報解析し,地域あるいは流域ごとの優先管理プライオリティを検討した。この際,懸念化学物質の環境への排出量とともに,人や環境生物に対する毒性情報を加味した影響の可能性を合わせて考慮した。 また、これまでモニタリングが遅れている懸念化学物質について、広域での多地点に亘る面的な汚染実態の同時把握を可能とするため、固相抽出方法等を活用した一斉分析の可能性を検討した。様々な環境水試料に対して必要な樹脂量や通水速度,脱離溶媒とその量や通液速度など,実用に耐えうる詳細な適用条件を検討し、その有用性と効率的利用法の検証を行った。また、化学物質の安全性評価に用いられている毒性試験法について,複雑な共存物等が存在する各種の試料についての前処理方法や可能濃縮倍率などを明らかにし、また、試験の簡易化の可能性も合わせて検討した。そして、これまでにデータ蓄積がほとんどされていない河川水等の毒性レベルについて,特に,神奈川県を中心にサンプリングおよび毒性試験を実施して,一般環境や各種下排水等における毒性レベルの把握を開始するとともに,試験法とその評価法の妥当性の検証を行った。 さらに、水環境分野において日本への留学経験がある東アジアの優秀な研究者らとの連携体制の整備に着手し、情報交換を通じて互いの国での環境安全衛生と経済の発展に資する化学物質に関する水環境の情報の収集整備のあり方について検討を行った。
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Research Products
(1 results)