2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310019
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 秀雄 Kobe University, 大学院・海事科学研究科, 教授 (90253020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 浩嗣 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 教授 (60199338)
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Keywords | 多環芳香族炭化水素 / ニトロ化多環芳香族炭化水素 / 海産発光細菌 |
Research Abstract |
1.PAHおよびNPAHの高感度分析法の開発 多環芳香族炭化水素(PAH)として15化合物、ニトロ化多環芳香族炭化水素(NPAH)として13化合物を分析対象として、HPLC-FD(蛍光検出器)を用いた分析方法を開発した。NPAHはPt/Al還元カラムを用いてアミノ化体にオンラインで還元した後にHPLC-FD-CD(化学発光検出器)により検出した。PAHは15種類全てを分離定量できたが、NPAHは13種類全てを分離できず、カラムの選定などの検討が必要であった。数種類のNPAHはCDにより、FDよりも高感度に検出できた。 2.港湾底質の前処理法の検討 港湾底質および船舶ディーゼル排ガス粒子(SDEP)を供試試料とした。SDEPは、ローポリュームエアサンプラーおよび石英フィルターを用いて、種々の実験条件下で稼動させた船舶ディーゼルエンジンから排出される排ガスから採取した。高速溶媒抽出装置を用いてジクロロメタンを抽出溶媒として、100℃、11MPa、5分のサイクル3回の計30分間で抽出し、前記の分析方法によりPAH,NPAHを分析した。しかし、この抽出法では抽出成分が多すぎて、クロマトグラムのバックグラウンドが高かったため、定量が困難であった。前処理カラムを用いて数段の前処理をすることが必要である。 3.港湾底質の生態毒性評価 発光細菌阻害試験を用いて、港湾底質を前処理することなく直接供試して生態毒性を評価した。港湾底質は大阪湾の造船所等で2008年に採取した表層底質20試料とした。毒性が認められた19試料の60-min EC50(湿泥重量)は平均34mg/Lであり、0.80mg/L〜260mg/Lの範囲にあったことから、試料によっては極めて強い毒性を示した。
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