2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310019
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 秀雄 Kobe University, 海事科学研究科, 教授 (90253020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 浩嗣 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (60199338)
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Keywords | 多環芳香族炭化水素 / ニトロ化多環芳香族炭化水素 / 生態毒性 / 海産発光細菌 / 変異原性 / 塗料廃棄物 |
Research Abstract |
1.港湾底質の毒性評価 ・Salmonella typhimurium NM2009株を用いた変異原性試験(ウムラックAT)により、19種類の多環芳香族炭化水素(PAH)および22種類のニトロ化多環芳香族炭化水素(NPAH)の変異原性を評価した。1種類のPAHおよび12種類のNPAHは代謝活性化なしで変異原性を示し、2種類のPAHおよび10種類のNPAHは代謝活性化によって変異原性を発現した。直接、間接ともに変異原性を示したのは1種類のPAH、9種類のNPAHであった。 ・港湾底質を汚染する原因と考えられる数種類の船舶ディーゼル排ガス微粒子を採取し、ジクロロメタンで高速溶媒抽出してSOFを調製して変異原性を評価した。C重油を燃料とする実験用エンジンの冷却器付着煤には、直接および間接変異原性が認められた。また、A重油を燃料とする本学部練習船の煙突付着煤には、直接変異原性が認められた。 ・2009年9月に大阪湾の定点から17試料を、2010年3月に愛媛県の港湾にて4試料を採取した。以前に採取した底質ともあわせて、それぞれ湿底質2gをジクロロメタンで高速溶媒抽出して抽出物を調製し、変異原性を評価した。この試料濃度では、いずれの抽出物にも変異原性は認められなかった。 2.港湾底質中の化学物質の残留分析 底質中の有害化学成分(防汚剤、PAH,NPAH)の残留分析をするための試料を調製した。 3.港湾底質中の有害成分の探索 毒性の強い底質中の有機溶媒抽出物に含まれるニトロ化PAHをHPLCで蛍光分析できるよう、還元カラムを用いてオンライン還元して得られるアミノ化PHAの3次元蛍光スペクトルを採取するための準備を行った。
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