2009 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素化炭化水素類の環境動態及び環境影響評価に関する研究
Project/Area Number |
20310020
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森田 昌敏 Ehime University, 農学部, 教授 (30132864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 公栄 愛媛大学, 農学部, 准教授 (50116927)
松田 宗明 愛媛大学, 農学部, 助手 (00108408)
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Keywords | 陸圏 / 水圏 / 大気圏影響評価 / 人体有害物質 |
Research Abstract |
各種のフッ素系樹脂(PTFE、PFEなど)の熱分解を大気存在下で350゜~500℃に加熱し、その生成物の定性定量を行った。常温で気体であるガス成分については、液体酸素温度での超低温捕集を行い、その一部を用いてガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)により定性分析を行うと共に、標準ガスが入手可能な物質について定量分析を行った。より沸点の高い低沸点から中沸点の生成物については、コールドトラップにより捕集し、ジクロロメタンを用いて溶出させた後に、GC/MS分析を行い、定性分析を試みた。この沸点領域にあたるフッ素化炭化水素類(すなわちC_4F_8やC_6F_6などをはじめとする各種フッ素化炭化水素)についてのガスクロマトグラフ保持時間および質量スペクトルのライブラリーを作成し、分析のためのデータベースの一部とすることが出来た。 テフロン(四フッ化エチレン樹脂)の空気存在下の熱分解により、低沸点のガス成分の他に、沸点の高いフッ素化合物が生成することを明らかとした。そのガスクロマトグラフ質量分析の結果は、パーフルオロ炭化水素系アルコールやストックホルム条約で規制が考えられているパーフルオロ炭化水素系酸類(PFOAとその類縁化合物)と推定された。これらの物質については液体クロマトグラフ質量分析計を用いての定量を実施することとし、そのための溶出条件等を確立した。また、更にこれらが環境に放出され、水系の汚染に寄与しているかどうかを明らかにするために、環境水および下水処理水中からの定量分析を行ない、この種の化合物が広く環境に分布していることを明らかにした。
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