2008 Fiscal Year Annual Research Report
突然変異誘発に関与する複製後修復経路の分子機構の解明に向けた生化学的基盤の確立
Project/Area Number |
20310030
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
増田 雄司 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30273866)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 研二 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60116564)
|
Keywords | 複製後修復 / 損傷乗り越えDNA合成 / 突然変異誘発 / ユビキチン / PCNA / SHPRH / HLTF |
Research Abstract |
放射線や環境変異原によって生じたDNA損傷の多くはDNA複製を阻害する。DNA複製の停止は細胞にとって致死的であるが、この阻害されたDNA複製を再開する分子機構、複製後修復(PRR)により細胞死は回避される。本研究の目的は、このPRRの生化学反応を試験管内で再構成し、その分子機構を解析することにある。 損傷乗り越えDNA合成経路の解析 複製後修復経路の一つである損傷乗り越えDNA合成経路は、忠実度の低いDNAポリメラーゼが損傷塩基を直接鋳型としてヌクレオチドを重合する損傷乗り越えDNA合成によりDNA合成を再開する。本研究では、複製型のDNAポリメラーゼが、損傷乗り越え型のDNAポリメラーゼと交換する反応を試験管内で再構成し、その分子メカニズムを解析することを目的としている。DNAポリメラーゼの交換反応は、RAD6-RAD18ユビキチン連結酵素によるPCNAのモノユビキチン化により制御される。本年度は、RAD6-RAD18によるPCNAのモノユビキチン化反応について詳しく解析した。また、紫外線損傷をもつ鋳型DNAにおいて、複製型のDNAポリメラーゼのひとつ、Polδと損傷乗り越えDNAポリメラーゼの一つ、Polηとのポリメラーゼ交換反応を再構成した。さらに、損傷乗り越えDNAポリメラーゼ、Polι、Polκの精製法を確立した。 Template switch(TS)経路の解析 TS経路では、停止したプライマー末端が新生娘鎖とアニーリングし、損傷のない鋳型を使ったDNA合成を行うことによりDNA合成を再開する。この反応には、SHPRHまたはHLTFタンパク質によるPCNAのポリユビキチン化が関与する。本研究では、PCNAのポリユビキチン化に始まる一連の生化学的反応を再構成し、TS経路の生化学的実体の解析を目指している。本年度は、HLTFタンパク質の精製法を確立した。
|
Research Products
(8 results)
-
[Journal Article] DNA damage-induced ubiquitylation of RFC2 subunit of replication factor C complex2008
Author(s)
Tomida J, Masuda Y, Hiroaki H, Ishikawa T, Song I, Tsurimoto T, Tateishi S, Shiomi T, Kamei Y, Kim J, Kamiya K, Vaziri C, Ohmori H, Todo T.
-
Journal Title
Journal of Biological Chemistry 283
Pages: 9071-9079
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-