2011 Fiscal Year Annual Research Report
突然変異誘発に関与する複製後修復経路の分子機構の解明に向けた生化学的基盤の確立
Project/Area Number |
20310030
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
増田 雄司 名古屋大学, 環境医学研究所, 准教授 (30273866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 研二 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60116564)
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Keywords | 複製後修復 / 損傷乗り越えDNA合成 / 突然変異誘発 / ユビキチン / PCNA / RAD6-RAD18 / HLTF / SHPRH |
Research Abstract |
放射線や環境変異原によって生じるDNA損傷の多くはDNA複製を阻害する。DNA複製の停止は細胞にとって致死的であるが、この阻害されたDNA複製を再開する分子機構、複製後修復(PRR)が働くことにより細胞死は回避される。PRRは二つの経路、損傷乗り越えDNA合成経路とTemplate switch経路からなる。本研究の目的は、PRRの二つの経路の生化学反応を試験管内で再構成し、その分子機構を解析することにある。 損傷乗り越えDNA合成(TLS)経路の解析 TLS経路では、停止したプライマー末端からの損傷塩基を鋳型としたDNA合成により、DNA複製を再開する。この反応はRAD6-RAD18によるPCNAのモノユビキチン化により制御されると考えられる。本研究では、PAD6-PAD18によるPCNAのモノユビキチン化反応、2)複製型のDNAポリメラーゼ(POIδ)が、損傷部位でTLSポリメラーゼ(Polη)と交換する反応、3)TLSポリメラーゼ(Poι、Po1κ、REV1)がこの反応系に及ぼす影響、4)複製型めDNAポリメラーゼとREV1の交換反応を解析した。本年度は特に、PAD6-PAD18の構造と機能を解析し、PCNAのモノユビキチン化反応の分子基盤を明らかにした。 Template switch(TS)経路の解析 TS経路では、停止したプライマー末端が新生娘鎖とアニーリングし、損傷のない鋳型を使ったDNA合成を行うことによりDNA合成を再開する。この反応は、SHPRHまたはHLTFタンパク質によるPCNAのポリユビキチン化により制御されると考えられる。本研究では、PCNAのポリユビキチン化に始まる一連の生化学的反応を再構成し、TS経路の生化学的実体の解析を目指している。これまでに、1)HLTFの精製法を確立し、2)HLTFが実際にPCNAをポリユビキチン化する活性を持つことを証明し、3)その分子機構を解析した。本年度は、HLTF詳細な酵素学的解析を推進した。
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[Presentation] 放射線発がんとゲノム不安定性2011
Author(s)
笹谷めぐみ, 徐衍賓, 本田浩章, 濱崎幹也, 楠洋一郎, 渡邊敦光, 増田雄司, 神谷研二
Organizer
日本放射線影響学会第54回大会
Place of Presentation
神戸商工会議所会館(兵庫県)
Year and Date
2011-11-19
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[Presentation] 肺癌におけるPOLD4の関与2011
Author(s)
鈴木元, 冨田秀太, 有馬千夏, 増田雄司, 神谷研二, 長田啓隆, 谷田部恭, 高橋隆
Organizer
第70回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
名古屋国際会議場(愛知県)
Year and Date
2011-10-03
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