2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復系遺伝子欠損マウスを用いた変異原性・発がん性の高感度評価系の開発
Project/Area Number |
20310031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
續 輝久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40155429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 可道 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (00207820)
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Keywords | 遺伝子 / 核酸 / 環境 / ゲノム / 放射線 / 突然変異 / 酸化ストレス / 活性酸素 |
Research Abstract |
放射線や化学物質に対応できる変異原性・発がん性の高感度評価系を開発する目的で、代表的な酸化DNA損傷である8-オキソグアニンに起因する突然変異の抑制に関与するMthl、Oggl、Mutyhを欠損したマウス、並びに他の酸化DNA損傷の修復に関与するXpaを欠損したマウスおよびミスマッチ修復とDNA損傷により誘発される細胞死の誘導に関わるMsh2を欠損したマウスを用いて、酸化剤KBrO_3の飲水投与による発がん実験を行い、それぞれのマウスの腸管での発がん感受性を検討した。その結果、0.2% KBrO_3を16週間にわたり飲水投与されたMutyh欠損マウスおよびMsh2欠損マウスでは、対照マウス群と比較して劇的な腸管腫瘍発生頻度の上昇が認められた。また、0.1% KBrO_3を16週間にわたり飲水投与されたMutyh欠損マウスでは、対照マウス群と比較して腸管腫瘍発生頻度が有意に上昇していた。これらの結果から、Mutyh欠損マウスおよびMsh2欠損マウスは生体に酸化ストレスを引き起す化学物質の発がん性を検討する上で有用なモデル動物であると考えられる。本研究で得られた知見は、各種DNA修復遺伝子欠損マウス、およびDNA修復とは独立に機能している発がん抑制機能を司る遺伝子を欠損したDNA修復遺伝子欠損マウスを用いることにより、放射線や各種化学物質によって誘発される突然変異や発がんについて高感度に検出する系が確立出来ることを示唆している。
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Research Products
(16 results)