2010 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧下の水プラズマによるポータブル型廃棄物処理システムの開発
Project/Area Number |
20310038
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 隆行 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (40191770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 佳美 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 連携准教授 (60216504)
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Keywords | 水プラズマ / 熱プラズマ / 大気圧プラズマ / 廃棄物処理 / フェノール分解 / アセトン分解 / CHラジカル / CH3ラジカル |
Research Abstract |
熱プラズマは電子のみならずイオンや原子などの重い粒子も高温領域にあり,かつエネルギー密度が大きいため,処理対象物質を短時間で高温にすることができる.また,化学反応速度は温度に対して指数関数的に増大するため,熱プラズマ中では反応速度が著しく大きくなる.さらに,プラズマ中における高温状態の物質を急速に冷却することによって有害な副生成物を抑制することができる.特に,熱プラズマの一種である水プラズマは経済上および安全上優位である.水プラズマに存在しているHラジカルやOラジカルを利用することによって新しい廃棄物処理プロセスを開発することが可能となる.本研究では,大気圧の直流放電の水プラズマによる有機系廃棄物の分解および分解機構を検討することによって,ポータブル型の廃棄物処理システムを開発することを目的とした. 水プラズマによる高濃度フェノール含有排水処理に関しては,1mol%フェノール溶液に含まれるフェノールをppmレベルまで分解することができた.分解に有効な水プラズマの高温領域におけるフェノールの滞留時間は1msであるが,このような短時間でCOD(10^5mgL^<-1>)を320mgL^<-1>まで減らせることができた. 水プラズマによってアセトン溶液(1-10mol%)を分解し,生成したガス,液体,および固体の成分を詳細に分析し,水プラズマ中におけるアセトンの分解機構について検討した.アセトンは水プラズマ中で主に熱分解され,C-C結合の開裂によるCH_3,CHなどのラジカルを生成し,このCH_3によってすすが発生し,CHは水プラズマ由来のOラジカルに酸化されてCOを生成することを明らかにした.
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Research Products
(14 results)