2010 Fiscal Year Annual Research Report
含塩素有機リン酸トリエステル類の微生物分解に必須な新規分解酵素とその遺伝子の解明
Project/Area Number |
20310039
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
解良 芳夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00137168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 祥司 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90324011)
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Keywords | 難分解性有害物 / 含塩素有機リン酸トリエステル類 / 微生物分解 / 新規トリエステラーゼ / 遺伝子クローニング / 遺伝子発現 / 遺伝子破壊株 |
Research Abstract |
Tris(1,3-dichloro-2-propyl)phosphate(以下TDCPP)やTris(2-chloroethyl)phosphate(以下TCEP)などの塩素を含む有機リン酸トリエステル類は、難分解性で蓄積性があり、種々の毒性を有する。我々が世界で初めて単離に成功した含塩素有機リン酸トリエステル類の分解菌Sphingomonas sp.TDK1とSphingobium sp.TCM1に存在する新規分解酵素を単離・精製し、その特徴を明らかにするとともに当該酵素遺伝子を取得し、解析を行うことが本研究の目的である。平成22年度は以下の研究実績をあげた。 TDK1株やTCM1株から単離・精製した新規トリエステラーゼの分子量をMALDI-TOF MSによる精密質量分析により決定した。その結果、天然の酵素は切断を含む翻訳後修飾を受けていることが示唆された。 TDK1株やTCM1株から単離した当該酵素遺伝子全長を含むDNA断片を解析し、構造遺伝子部分やプロモーター領域を推定した。また、サザンプロット解析により、本酵素遺伝子は1コピーしか存在しないことを明らかにした。 当該遺伝子の大腸菌における発現系を構築し、発現条件の最適化を行うとともに発現産物の解析を行った。誘導発現を行った形質転換体の無細胞抽出液には、本酵素活性が検出されたことから、当該遺伝子は本酵素遺伝子であることが強く示唆された。また、SDS-PAGE解析により、大腸菌で発現させた本酵素も天然の酵素と同様に翻訳後に切断を受けている可能性が示唆された。 TDK1株及びTCM1株の当該遺伝子破壊株を得た。各々の遺伝子破壊株ではTDCPPやTCEPの分解活性が消失し、TDCPPやTCEPを唯一のリン源とする培地での生育は認められず、当該遺伝子は本酵素遺伝子であることが示唆された。
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[Journal Article] Isolation and Identification of Persistent Chlorinated Organophosphorus Flame Retardants-Degrading Bacteria.2010
Author(s)
Shouji Takahashi, Ikuko Satake, Isao Konuma, Koji Kawashima, Manami Kawasaki, Shingo Mori, Atsushi Morino, Jyunichi Mori, Hongde Xu, Katsumasa Abe, Ryo-hei Yamada, Yoshio Kera
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Journal Title
Applied and Environmental Microbiology
Volume: 76
Pages: 5292-5296
Peer Reviewed
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