2008 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気微生物群を用いた透過性反応浄化壁による芳香族塩素化合物分解の解析モデルの構築
Project/Area Number |
20310041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 新太 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (60185808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 克英 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90252254)
井上 康 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教 (10293648)
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Keywords | 嫌気性微生物 / 流れ場 / 還元的脱塩素反応 / 嫌気的芳香族酸化反応 / 物質収支 / 菌体収率 / PCR-DGGE / 反応速度 |
Research Abstract |
低濃度で土壌地下水を移流拡散する有害化学物質を原位置で分解することを目指し、嫌気性微生物群を資材とした透過性反応浄化壁の設計に必要な解析モデルの構築研究を行った。初年度の平成21年度では、透過性反応浄化壁を模した嫌気カラムにおいて、嫌気微生物による芳香族塩素化合物の還元的脱塩素化反応および嫌気的酸化分解反応の流れ場を確立し、物質収支を明らかにした。 透過性反応浄化壁を模した嫌気的カラムは大型のものはアクリルで小型のものはガラスで作製した。カラムには、脱塩素微生物群または嫌気性芳香族酸化分解菌を担持した微生物資材を詰め、上昇流として分散を最小限にし、長期脱塩素活性をモニタリングした。定常状態に達した嫌気カラムを対象にして、分解浄化効率(速度解析)、物質収支、微生物解析を行った。なお,嫌気性脱塩素微生物に必要な電子供与体は、水溶性のものと固形のもの二つの方法で供給した。透水係数および平均滞留時間・有効カラム体積の初期値を測定すると共に、運転開始後は、カラム出口からのクロロフェノールおよび脱塩素代謝産物、水素濃度、メタンガス濃度、二酸化炭素濃度を測定した。を定期的に濃度測定した。また必要に応じて、カラム試験と同じ条件でバッチ試験を行って、必要な基礎パラメータを測定した。流出する微生物の群集構造は、16S-rRNA遺伝子を標的としたPCR-DGGE解析によって調べた。 脱塩素化速度と電子供与体の消費速度との関係を明らかにした。また、乳酸および関連脂肪酸とメタンガス、二酸化炭素の測定から、炭素に関わる物質収支を明らかにした。微生物流出速度を測定して、定常状態近似から微生物群集の増殖速度を求めると同時に、流出微生物の群集構造が一定であることを明らかにした。
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