2010 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギー、省コスト型ごみ焼却・リサイクルシステムの開発
Project/Area Number |
20310042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高岡 昌輝 京都大学, 工学研究科, 教授 (80252485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 和徹 京都大学, 工学研究科, 助教 (90346081)
朱 芬芬 京都大学, 工学研究科, GCOE研究員 (40534277)
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Keywords | ごみ焼却 / 焼却灰 / 飛灰 / 脱塩 / コスト / 省エネルギー / 焼成 / ダイオキシン類 |
Research Abstract |
本研究は、廃棄物処理施設に要求される1)投入エネルギー・資源・コストの削減、2)有害物質の排出削減、3)最終残渣の有効利用を同時に満たす新たなごみ焼却の技術的システムを構築するものである。具体的にはセメント産業の焼却灰の受入れ容量及び将来的な受入れ基準に注目し、焼却灰を普通セメント原料化すること、及びダイオキシン類・重金属類等の有害物質が濃縮されている飛灰を中間的に焼却システム内で処理し、最終排出物としてはゼロとすることを目的としている。本年度は、飛灰洗浄後の灰に対する焼成実験およびトータルシステムのコスト評価し、課題を抽出した。飛灰洗浄後の灰の焼成においては、雰囲気(窒素、酸素10%)の違いおよび焼成時間による塩素減少の違いを主に確認した。飛灰種により雰囲気による違いは大きくないことがわかった。また、焼成時間については30分と1時間で検討されたが、長い方が塩素除去率は大きいことがわかった。これらの結果より、洗浄飛灰を循環させた場合のマスバランスを計算して、それぞれの飛灰種の場合の塩素バランスおよび質量バランスが計算された。最終的に、重曹を用いたケースでは、捕集された飛灰から洗浄と焼成により、質量を72.1%、塩素を99.8%減少させることができることがわかった。これらのデータをもとに、洗浄、焼成システムを導入した場合の追加的な薬剤量、光熱費は大きくない(ごみ1トンあたり200円程度)こと、また消石灰と重曹の現在の価格差を考慮しても重曹を用いる方がよいことがわかった。溶融を含んだシステムと比べるとトータルコストは約60%となることがわかった。ただし、洗浄を2回行う本システムでは使用水量が大きいため、下水処理場などとの融合により、より効果が発揮されると考えられた。
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Research Products
(8 results)