2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物を用いた難分解性フェノール系汚染物質の除去システム
Project/Area Number |
20310043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 収正 Osaka University, 薬学研究科, 教授 (30199062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晃 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80283935)
原田 和生 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (50397741)
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Keywords | 環境浄化 / 内分泌かく乱物質 / ペルオキシダーゼ / ポリフェノールオキシダーゼ / 遺伝子組換え植物 |
Research Abstract |
本研究は、1)高等植物におけるフェノール系環境ホルモン無毒化代謝機構を解明し、それらの代謝に機能する遺伝子を単離すること、2)1)で単離する遺伝子資源(BPA代謝鍵酵素遺伝子)を小胞輸送工学的手法を利用して植物に導入することによって、難分解性フェノール系化合物代謝能の高い植物を分子育種すること、3)上記1)2)で得られる浄化植物を水処理用水耕栽培システムに組込み、実際の廃水に含まれるターゲット汚染物質を高効率に除去できることを検証し、新規高度水処理システムとしての事業化シーズを提供することを目的とする。 平成21年度は、高いBPA浄化能を有するポーチュラカから、BPA代謝を担うと考えられるポリフェノールオキシダーゼ(PPO)及びペルオキシダーゼ(PRX)をコードする遺伝子の解析を行った。これらについては、植物中の局在性が異なるアイソザイムと考えられる複数の酵素をコードする遺伝子が存在することを明らかにし、さらにその塩基配列を決定した。また、これまで研究に用いてきたポーチュラカやミニバラ以外に、サルビアが優れたBPA浄化能を有することを明らかにし、さらにその浄化特性を解析することにより、ポーチュラカに匹敵する実用性の高いBPA浄化が可能であることを示した。 次年度は、これらの遺伝子がコードする酵素のタンパク質でベルでの詳細な機能解析を行い、どのアイソザイムが主にBPA代謝を担っているのかを明らかにする。さらに、当該酵素を固定化することにより、植物を用いるよりも効率の良いBPA処理システムの開発を目指す予定である。
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