2010 Fiscal Year Annual Research Report
水使用量を1,800分の1にするバイオディーゼル燃料の精製技術
Project/Area Number |
20310044
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高梨 啓和 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (40274740)
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Keywords | バイオディーゼル燃料 / 乳化 / 解乳化 / 精製 / 溶解度 / 分配平衡 / 低級脂肪酸 / アルカリ金属 |
Research Abstract |
植物油からバイオディーゼル燃料(Bio Diesel Fuel,BDF)を製造する際には、触媒等の不純物を除去する目的でBDFの水洗処理が行われており、製造されるBDFの40-300%程度の廃水が発生している。そこで本研究では、水洗によりもっとも除去しにくいアルカリ金属分に着目し、BDFへのアルカリ金属の溶解度および水-BDF系におけるアルカリ金属の分配係数を求め、水洗に必要な水量を求めることを目的とした。 本年度は、昨年度までの結果を検証した。その結果、昨年度までにアルカリ金属分の分配係数が観察されたのは、疑似相関である可能性が示された。このため、水によりアルカリ金属分を抽出した際にBDF相に残存している水分とアルカリ金属濃度との関係を検討した結果、BDF中のアルカリ金属濃度は残存している水分で整理できることが明らかになった。すなわち、残存している水分と分離される水分中のアルカリ金属濃度の積からBDF中に残存するアルカリ金属濃度を求めることができた。したがって、少量の水を粗製BDFに添加して乳化し、BDF相中のアルカリ金属分などを抽出した後にエマルションを破壊して粗製BDFの精製を行う場合、水洗に必要な水量は、BDFへのアルカリ金属の溶解度、石鹸の飽和溶解度および水分の除去率から求められることが示唆された。これらの結果をもとにして、ナトリウム分の抽出に必要な水量を求めたところ、従来の水使用量の1,740分の1以下であることが確認された。この水使用量は、申請時の目標である1,800分の1をほぼ満足している。
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Research Products
(27 results)