2009 Fiscal Year Annual Research Report
石油分解微生物の石油汚染環境下における局在性制御技術の開発と浄化への応用
Project/Area Number |
20310047
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中嶋 睦安 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (10059660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂入 道夫 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (80196906)
岩淵 範之 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (90328708)
荻原 淳 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50256830)
古川 壮一 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (40339289)
安齋 寛 日本大学, 短期大学部・生物資源学科, 教授 (70168029)
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Keywords | Rhodococcus / バイオリメディエーション / 土壌汚染 / ホワイトバイオテクノロジー / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
R.erythropolis PR-4は、培地/アルカンの二層培養系において、添加するアルカンの炭素数によって、アルカン粒子表面へ吸着する「吸着型」とアルカン粒子内へ転移する「転移型」の二つの異なる相互作用を示す株であり、バイオリメディエーションやバイオプロセスの宿主として期待されている。この場合、有機溶媒存在下での利用が想定されることから、有機溶媒と微生物細胞との相互作用を理解し、制御することが重要である。本研究ではこれらの相互作用について物理化学的、遺伝生化学的側面から検討を加えた。 吸着型の代表としてn-ドデカン(C12)を転移型の代表としてプリスタン(C19)を選び、これらを添加した条件で培養し、菌体を回収した。これらの裁縫表面特性を検討したところ、C19の添加により、細胞表面の新油性が上昇し、界面ギブスエネルギーが変化し、アルカンに転移することが示された。続いて、ショットガンプロテオーム解析を行った結果、プリスタン添加条件では、シャペロニンの一種であるGroEL2の高発現が確認された。同属の細菌は複数のGroELを有し、EL2は必須遺伝子と考えられていることから、同遺伝子をクローニングしPR-4株に導入し、二層培養下での細胞の局在性を検討した。同時に一部をデリーションさせた断片を作製し、同様に導入した。その結果、groEL2遺伝子の導入により二層培養下での細胞の局在性が変化し、転移して生育できるアルカンの種類が増えた。ここから、同遺伝子はアルカンに転移して生育するために重要であると考えられた。また、PR4株由来のgroEL2遺伝子を他のRhodococcus属細菌に導入したところ、PR4株と同様に、生育できるアルカンの種類が増加し、通常の条件では生育できなかったアルカン存在下でも生育できることが示された。
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