2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Synthesis and structure control of inorganic hollow nanoparticles by using asymmetric triblock copolymers as a template
Project/Area Number |
20310054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
NAKASHIMA Kenichi Saga University, 大学院・工学系研究科, 教授 (10104720)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | ナノ材料 / 超分子化学 / 高分子ミセル / 中空無機ナノ粒子 / 鋳型合成 |
Research Abstract |
ABC型(非対称型)トリブロック共重合体をB、Cに選択的な溶媒に溶解すると、Aをコア、Bをシェル、Cをコロナとするミセルを形成することが知られている。例えば、ポリ(スチレン-b-2-ビニルピリジン-b-エチレンオキシド)(略称:PS-b-PVP-b-PEO)を水に溶解すると、PSをコア、PVPをシェル、PEOをコロナとするミセルを形成する。この時、溶液のpHを5以下にするとPVPは陽イオンとなり、そこに外部からの陰イオンを結合することができる。結合した陰イオンが無機イオンであれば、還元あるいは適当な化学処理によってナノメーターサイズの無機層を形成する。これを焼結して高分子を除去すれば、中空無機微粒子が得られる。本研究は、(i)このようなコアーシェルーコロナ型高分子ミセルを鋳型とする新しい中空無機微粒子の合成法と構造制御の方法を確立すること、(ii)その微粒子の種々の応用を検討することを日的とする。 (1)RAFT重合法により種々のABC型トリブロック共重合体を合成する。具体的には、Aブロックにポリスチレン、Cブロックにポリエチレンオキシドを用い、Bブロックの高分子に陽イオン性(ポリビニルピリジンなど)及び陰イオン性(ポリアクリル酸など)の高分子を用いる。 (2)上記高分子ををジメチルフォルムアミド(DMF)に溶かした後、透析法によってPSをコア、Bブロックをシェル、PEOをコロナとする高分子ミセルを得る。 (3)上記のコアーシェルーコロナ型高分子ミセルを鋳型として、種々の中空無機ナノ粒子を合成する。標的とする無機材料は、シリカ、金属酸化物、貴金属、炭酸塩などである。 (4)鋳型高分子のコアを形成するPSブロックの鎖長を変化させて、中空無機ナノ粒子の空洞サイズを制御することを試みる。また、シェルを形成するBブロックの鎖長を変化させて、無機層の厚さを制御することを試みる。 (5)中空無機ナノ粒子の応用を検討する。応用而としては、有機合成の触媒、薬物送達システム、電池材料などである。
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