2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工ポルフィリンアンテナ薄膜による光電変換デバイスの開発
Project/Area Number |
20310056
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅岡 定幸 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (50336525)
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Keywords | ナノ材料 / ナノバイオ / 高分子合成 |
Research Abstract |
ポリエチレンオキシド(PEO)の片末端に重合開始点を有するポルフィリンを導入したマクロ開始剤を合成し、これにアゾベンゼンをメソゲンとする液晶性モノマーを重合させる手法により、親・疎水ブロックの連結点にポルフィリンを直接導入した共重合体を合成した。種々の重合条件を検討したところ、M_W/M_N=1.68と分散は多少広いもののブロック共重合体の合成に成功した。得られたポリマーの水面展開膜を作成して液晶の等方相転移温度以上で熱処理した後、RuO_4によってPEOドメインを選択染色し、透過型電子顕微鏡によってナノ構造を観察したところ、多少配列に乱れはあるもののドットパターンが観測された。小角X線散乱(GI-SAXS)の測定結果からも、膜面に対して垂直に配列したシリンダー型のミクロ相分離構造を形成していることが示された。 得られたブロック共重合体の溶液中および薄膜中での分光学的特性について、紫外可視吸収(UV-vis)スペクトルおよび蛍光スペクトルにより検討した。薄膜のUV-visスペクトルにおいて、ポルフィリンの吸収極大は溶液中と比べてほとんどシフトしないことから、ポルフィリンは会合体を形成していないことが判った。一方、蛍光スペクトルにおいては薄膜中でいずれも大きく長波長シフトしており、励起状態でポルフィリンの電子状態に何らかの変化があることが示唆された。 また、紫外可視吸収スペクトルにおいて、ポルフィリンの吸収帯にアゾベンゼンの吸収末端が重なっていることから、より正確な分光分析のために液晶メソゲンとしてポルフィリンの吸収帯に掛からないスチルベンを導入したポリマーについても合成を検討した。この研究過程において、スチルベンをメソゲンとするポリマーから調製した薄膜に紫外線照射または酸素存在下で熱処理することによって薄膜を溶媒に不溶化できることを見出した。そこで犠牲層め上にこの薄膜を作成し、光により固定化した後に犠牲層を溶出したところ、ナノ自立膜の作成に成功した。
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Research Products
(7 results)