2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工ポルフィリンアンテナ薄膜による光電変換デバイスの開発
Project/Area Number |
20310056
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅岡 定幸 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (50336525)
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Keywords | ナノ材料 / ナノバイオ / 高分子合成 |
Research Abstract |
原子移動ラジカル重合(ATRP)法による合成経路ではポルフィリンの触媒系への影響から低分散性のブロック共重合体が得られなかったことから、疎水性液晶鎖を別途ATRP法によって合成し、ポリエチレンオキシド(PEO)鎖を導入したポルフィリンとHuisgen環化付加反応によって連結する経路を新たに開発し、低分散性(M_W/M_N<1.2)の親・疎水鎖の連結点にポルフィリンを有する両親媒性液晶ブロック共重合体の合成に成功した。このポリマーをシリコン基板上にスピンコートして作成した薄膜を熱処理することによって得られた薄膜を透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察したところ、規則性の良いシリンダー型のミクロ相分離構造の形成が確認された。また、ポルフィリンの存在位置を示すシリンダーの周囲に薄く染色された部位が認められた。 液晶メソゲンであるスチルベンは固体中で[2+2]光環化付加反応することが知られている。基板上に作成したブロック共重合体薄膜に紫外線(>365nm)を照射したところ、ナノ構造が固定化され、溶媒に対して不要となった。基板と薄膜の間に犠牲層を挿入した系では、犠牲層を溶出させることによって剥離し、ナノ自立膜を作成することに成功した。 また、親水鎖を分解性のポリ乳酸に換えたブロック共重合体についても、Huisgen環化付加反応による合成に成功し、薄膜中でPEOを親水鎖とした場合と同様にシリンダー型のミクロ相分離構造を与えることを見出した。さらに得られた薄膜を炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液に浸漬することにより、親水部が穿孔され、ナノ多孔膜を作製できることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)