2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工ポルフィリンアンテナ薄膜による光電変換デバイスの開発
Project/Area Number |
20310056
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅岡 定幸 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50336525)
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Keywords | ナノ材料 / ナノバイオ / 高分子合成 |
Research Abstract |
親・疎水鎖の連結点にポルフィリンを導入した両親媒性液晶ブロック共重合体のより簡便な合成法として、異なる保護基を有するアルキンを5,15-位に導入したポルフィリンをコアとし、PEO鎖と液晶性疎水鎖をHuisgen反応によって順次導入する手法を検討したが、保護基が十分に機能せず、目的とする両親媒性液晶ブロック共重合体を得ることができなかった。一方、5,15-位にPEO鎖を10,20-位に液晶性疎水鎖を各2本導入した星形ポリマーを合成したところ、製膜条件の検討が不十分であるため、薄膜中でシリンダー部の完全垂直配向は達成できていないものの、界面に導入したポルフィリンはJ会合体に近い構造を形成していることが示唆された。 前年度までに合成した、エステル結合を介してPEO鎖を導入し、液晶性疎水鎖をHuisgen反応によって連結したポルフィリンをコアとするポリマーについて、製膜条件を再検討し、基板によらず安定して完全垂直配向を与える条件を確立した。ITO基板上に薄膜を作製し、単極での光電流測定を行ったところ、ポルフィリンを持たないブロック共重合体とZnTPPを単純にブレンドした薄膜に比べ、顕著な光電流の増大が確認された。PEOは常温で液体状態であり、PEOドメインを通じて電子受容体が拡散するが、拡散が律速となるためスパイク状の光電流応答を与えた。より電荷移動効率を高めることを目的として、新たに連結点にフラーレンを位置選択的に導入したブロック共重合体を合成し、このポリマーと混合して薄膜を作製したところ、定常的な電流応答が観測された。
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Research Products
(7 results)