2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光・磁性デュアル機能性ナノ粒子複合体の創製と特性評価
Project/Area Number |
20310061
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
磯部 徹彦 Keio University, 理工学部, 准教授 (30212971)
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Keywords | YVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+> / ナノ粒子 / ナノ蛍光体 / 蛍光ビーズ / 交互吸着 / PMMA |
Research Abstract |
研究代表者は、近紫外光励起で赤色発光を示す蛍光マイクロビーズとして、カチオン性高分子とアニオン性高分子を交互に吸着させた多重ポリマー層を有するPMMAビーズを作製し、同ビーズにクエン酸が配位したYVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+>ナノ蛍光体を複合化できることを実証した。しかし、カチオン性高分子を一層吸着させた単一ポリマー層を有するビーズへの複合化に対しては、蛍光強度が低いことが問題点となっている。その原因として、YVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+>ナノ粒子の吸着量とナノ粒子自体の蛍光強度が低いことが挙げられる。そこで、本年度は、単一ポリマー層ビーズを用いて高い蛍光強度を有する複合ビーズの作製を目的とした。YVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+>の蛍光強度を増加させるために、複合前に焼成することを検討した。また、PMMAビーズへの吸着量を増加させるために、YVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+>の添加量について検討した。YVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+>ナノ粒子を焼成すると、結晶性が向上することで蛍光強度が増加することがわかった。しかし、400℃以上の焼成でBiVO_4が相分離するため、近紫外光励起での蛍光強度が低下することがわかった。また、焼成してもナノ粒子表面にカルボキシル基が存在し、負に帯電していること、また流体力学的粒子径は約50nmでナノサイズを維持できることから、交互吸着を用いることができることがわかった。上記の結果より300℃焼成ナノ蛍光体を用いて複合ビーズの作製を試みた。同複合ビーズの蛍光強度は未焼成ナノ蛍光体を用いて作製した複合ビーズに比べ格段に高いことがわかった。これは、焼成による蛍光強度の増加と吸着量の増加が原因であると考えられる。今後、蛍光ナノ粒子だけでなく磁性ナノ粒子もビーズに複合化させることを検討する予定である。
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