2010 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光・磁性デュアル機能性ナノ粒子複合体の創製と特性評価
Project/Area Number |
20310061
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
磯部 徹彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30212971)
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Keywords | YVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+> / ナノ粒子 / ナノ蛍光体 / 蛍光ビーズ / 交互吸着 / PMMA / YAG:Ce3+ / YIG |
Research Abstract |
近紫外光励起で赤色発光するYVO_4:Bi^<3+>,Eu^<3+>ナノ粒子を、2種類の方法によってPMMAビーズ(粒子径10μm)に複合化させ、ビーズに対するナノ粒子の吸着量・吸着の均一性に関して比較・検討した。負に帯電しているナノ粒子に、正に帯電した高分子PAHを被覆した後、負に帯電したビーズに吸着させて複合ビーズ(1)を作製した。また、ビーズに対しPAHとナノ粒子を交互吸着させることで、複合ビーズ(2)を作製した。PAHがナノ粒子を被覆したことを電荷の反転から確認した。ナノ粒子にPAHを被覆するとナノ粒子の数平均粒子径が18nmから110nmへ増大したが、蛍光・励起特性に変化は見られなかった。複合ビーズ(2)よりも複合ビーズ(1)の方が、ナノ粒子が全体的に均一に吸着している様子がSEMによって観察された。蛍光スペクトル測定、蛍光顕微鏡観察、熱分析などの結果より、複合ビーズ(1)の方が吸着量は多く、蛍光強度は大きかった。これは、複合ビーズ(2)ではナノ粒子を吸着させる際に、ナノ粒子表面に配位していたクエン酸イオンが脱離し、そのクエン酸イオンがビーズに吸着してビーズ上の吸着サイトを減少させるためナノ粒子の吸着量が少なくなるのに対し、複合ビーズ(1)では先にナノ粒子をPAHで被覆するため、クエン酸イオンの脱離を抑制できると考えられる。上記の複合ビーズ以外に、YへG(Y_3Al_5O_<12>)ナノ粒子を種結晶として合成したコア/シェル型YAG/YIG(Y_3Fe_5O_<12>)磁性ナノ粒子とYAG:Ce^<3+>蛍光ナノ粒子を静電的相互作用によってPMMAビーズに複合化することも検討した。この複合ビーズは磁石による誘導が可能であり、かつ、青色光励起で緑色蛍光を発する機能を有することを確認した。また、蛍光・磁性を持ち合わせた複合ビーズはフローサイトメータによってドット群として認識でき、生体分子検出へ応用できることが示された。
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