2009 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビーム3次元ナノ構造形成によるバイオナノツールの作製と評価
Project/Area Number |
20310068
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 真二 University of Hyogo, 高度産業科学技術研究所, 教授 (00312306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 一浩 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (20201452)
八田 公平 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (40183909)
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Keywords | 集束イオンビーム / CVD / バイオツール / ダイヤモンドライクカーボン / 立体ナノ構造 |
Research Abstract |
集束イオンビーム化学気相成長法(FIB-CVD)は任意の場所に任意の形状をしたナノ構造物を作製できる技術である。また、原料ガスを交換することでW、Fe、Pt、SiOx含有のダイアモンドライクカーボン(DLC)を作製することができる。本実験ではFIBのイオン源としてGaを用いている。そのため、FIB-CVDにより作製された構造物にはイオン注入によりGaコアが形成される。バイオツールを作製する上でGaは含まれていないほうが好ましい。これまでの実験でDLC中のGaはアニールにより蒸発することが確認されている。上記に記したように原料ガスを交換することでFe含有DLCを作成することができる。そこで本実験ではFe含有DLCの場合のアニールによるGaの挙動を調べた。 原料ガスとしてフェロセンを用いFe含有DLCナノ構造物を作製した。また、ナノ構造物としてスプリングを作製し、真空アニールを行いGaの挙動を走査型電子顕微鏡エネルギー分散X線分光法(SEM-EDX)により調べた。まずアニール前にスプ回リングの素線部分の元素分析をSEM-EDXにより行った。その結果、作製したスプリングにはFe、Ga、Cが含まれていることが確認された。作製したFe含有DLCスプリングを600℃で30分間真空アニールを行った。真空アニールの結果、スプリングの端にドロップが析出することが確認された。アニール後のスプリングの素線部分の元素分析を行った結果、Gaが減少していることが確認された。さらにFeは検出される箇所や検出されない箇所があったことから局在していることが確認された。また、ドロップ部分の元素分析を行った結果、主にFeとGaで構成されていることが確認された。次に600℃アニールしたFe含有DLCスプリングをさらに800℃で30分間真空アニールを行った。その結果、析出していたドロップからGaは検出されず、主にFeで構成されていることが確認された。これらの結果、Fe含有DLCではアニールによってGaが蒸発する際、Feを伴ってナノ構造物内を移動することが確認された。
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Research Products
(4 results)