2010 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビーム3次元ナノ構造形成によるバイオナノツールの作製と評価
Project/Area Number |
20310068
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 真二 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (00312306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 一浩 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (20201452)
八田 公平 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (40183909)
|
Keywords | 集束イオンビーム / FIB / CVD / バイオツール |
Research Abstract |
バイオナノツールとして、神経成長阻害バイオナノツールをガラスキャピラリー先端部に集束イオンビーム(FIB)CVDにより作製した。CVDガスとしてフェナントレン(C_<14>H_<10>)を用いた。堆積材料はダイヤモンドライクカーボン(DLC)であることを、放射光XAFSにより確認した。この神経成長阻害バイオナノツールの機械的強度を走査プローブ顕微鏡のカンチレバーによるヤング率測定により行い、100GPaと十分な機械的強度を有することを確認した。さらに、FIB-CVDにより作製した立体バイオナノツールとガラスキャピラリー先端部との界面状態を知るために、モンテカルロ計算によるGaイオンの侵入深さを計算した。その結果、Gaがガラスキャピラリー先端にイオン注入された深さが20nm程度であった。神経成長阻害バイオナノツールを実際のバイオ実験に使用した結果、操作性、強度共に有用に機能することが実証された。 FIB-CVDの立体ナノ構造作製は、5nmの径に収束したGaイオンの一筆書きであるため、スループットが低い。これを解決するために、FIB-CVDによって作製した立体ナノ構造をモールドとしたナノインプリントによる複製転写技術を開発した。FIB-CVDとナノインプリントを組み合わせることにより、従来の2次元転写から3次元転写へと展開した。転写材料としてはSU-8,光硬化樹脂(NICT3420),HSQを用いて行った。SU-8及びHSQにより作製された構造は600℃のアニール処理後でもパターンを維持していた。FIB-CVDにより作製した3次元構造体のナノインプリントは、今後の重要かつ不可欠の技術であると確信している。
|