2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20273592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 弘和 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70431525)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 / バイオチップ |
Research Abstract |
マイクロ流路中に電極アレイを組み込み、電気化学バイオリソグラフィーによって形成した接着領域に対して、誘電泳動力を利用して迅速に細胞を集約して固定化する操作が連続して行えるチップシステムとした。これを用いて、細胞診断に用いるバイオチップの可能性を検討し、誘電泳動の際に印加する電圧や周波数について最適化を行った。流路は、Pt電極アレイをスパッタリングしたガラス基板であり、シリコンラバーをスペーサーとして2枚を張り合わせる。スペーサーのスリットが流路となり、本研究では0.1mm幅である。 細胞診断を簡便化するための細胞チップの研究開発が加速しており、採取した細胞をチップの適所に固定するための簡便な方法が必要とされている。電気化学バイオリソグラフィーは、電極と電源(乾電池程度)からなるシンプルな機構であり、マイクロ流路チップ等への集積化が容易であり、細胞のアレイを「その場で」作成するバイオチップに応用可能と考える。そこへ、誘電現象を利用して細胞を捕集して固定化を出来るという今回の試みは、血液診断の効率化に大きく寄与すると期待できる。 血液から遠心分離で採取した白血球の中から、選択的に好中球を捕捉固定することに取り組み、10分程度で捕捉固定することに成功した。その際、溶液の流速を適切に設定すると細胞の捕捉率が100%で、かつ細胞アレイ間でクロスコンタミが生じない条件が設定可能であった、この知見は、今後このシステムを肝細胞の選別収集などに応用展開する上で極めて有用な知見である。
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