2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20273592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 弘和 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70431525)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 / バイオチップ |
Research Abstract |
細胞培養に適した硬さ(数10MPa)のハイドロゲル基板上に筋肉細胞を配列培養し、一方で導電性高分子による電極をハイドロゲルに配線する電解重合法を新規に開発し、これらを組み合わせたハイブリット細胞チップの創製を目指した。筋委縮症や筋力増強に関する創薬研究、および2型糖尿病における骨格筋糖代謝不全の分子機構解明と治療薬開発などに用いる細胞アッセイシステムの開発につながる基礎技術の蓄積である。 昨年度、ハイドロゲルの表面に、導電性高分子PEDOTによる電極を作製する新手法を開発した。しかし、ゲル内部に重合されるPEDOTの密度が低いため、表面抵抗率が10kΩ/□程度と高かった。今年度は、応用研究へ逸る気持ちを抑えて電気特性の改善に取り組み、2段階で重合する方法を開発した。先ずPt電極上に高密度で低抵抗のPEDOTフィルムを形成し、これをゲル内に成長するPEDOTで固定する方法であり、これによって50Ω/□程度と実用に耐える電極が作製できた。 また、筋肉細胞と神経細胞を混在させる共培養(従来法)に適した培地組成を確定し、アセチルコリンレセプターの免疫染色によりシナプス様構造の形成を確認する事が出来た。細胞ゲルシートを用いた神経-筋パターン共培養の構築に関しては、筋肉細胞と神経細胞をそれぞれ移転したフィブリンゲル同士を張り合わせる、あるいは、神経細胞をパターン培養したシャーレへ筋肉細胞ゲルシートを貼り付ける、という手法により、両細胞をグリッド状に配置したパターン共培養ゲルシートが得られるようになった。現時点では、明らかなシナプス形成を再現性良く確認するには至っておらず、構造的な接合に加えて、化学的・電気的な刺激が必要だと考えられる。
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