2010 Fiscal Year Annual Research Report
スピントルク駆動ナノデバイスによる高性能マイクロ磁気センサの開発
Project/Area Number |
20310073
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内山 剛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00203555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 明啓 慶応義塾大学, 理工学部, 助教 (70423035)
内海 裕一 兵庫県立大学, 附属研究所, 准教授 (80326298)
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Keywords | マイクロ磁気センサ / スピントルク / 磁気共鳴 / 磁気インピーダンスセンサ / 磁壁移動 / 細胞組織 |
Research Abstract |
1)パルス電流駆動で動作するスピンダイナミックスを利用したコイル検出型磁気インピーダンスセンサ用の信号処理電子回路の最適化を検討した。センサヘッドに通電するパルス電流の繰り返し周波数および、パルス幅を検討した結果、アモルファスワイヤ素子の磁気インピーダンス効果が顕著な周波数帯域を利用するパルス通電条件が重要であることを示した。また、センサの磁界検出感度として、16V/Gを得た。 その結果、磁界検出分解能についても前年度からの向上が見られた。ノイズスペクトルの解析結果からは、数10Hz~500Hzの周波数領域で、1pT/Hz^<1/2>のノイズレベルと評価された。 2)試作した超高感度マイクロ磁気センサを用いて、モルモットの胃から摘出した、平滑細胞組織について、磁気計測と電位計測の同時測定を行った結果、組織表面の活動電位と同期した磁気信号の検出に成功した。細胞組織磁気計測についての成果は、世界でもほとんど類をみない独自な研究成果である。超高感度マイクロ磁気センサの医療診断などへの応用の可能性を明らかにした。 3)ナノ磁性体におけるマイクロ波通電による異常ホール効果の実験の結果から、スピントルクを利用した磁壁の共鳴周波数が外部磁界に依存して鋭敏に変化することを見出した。また、共鳴周波数スペクトルの解析からスピントルクの大きさを定量的に評価した。 4)磁気ヘッドの集積化については、5層構造を持つ微細素子の試作を完了した。試作素子の磁界によるインピーダンスなどの変化特性を評価した。
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Research Products
(12 results)