2009 Fiscal Year Annual Research Report
酵素の安定性を向上させる固定化技術の開発とマイクロリアクターへの応用
Project/Area Number |
20310074
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮崎 真佐也 Kyushu University, 総合理工学研究院, 客員准教授 (70344231)
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Keywords | マイクロ・ナノ化学 / 酵素反応 / マイクロリアクター / 固定化触媒 / 安定化 |
Research Abstract |
本研究では、酵素とポリリジンなどカチオン性ポリマーの複合体を分子間架橋することによりマイクロチャネル表面に酵素を固定化する我々独自の技術を応用し、様々なポリエチレングリコール(PEG)化ポリマーと酵素の複合体を形成させ架橋することにより、酵素の活性を損なわずに安定性を高める酵素固定化技術の開発を行うとともに、酵素反応マイクロ化学プロセスの構築に応用する。2年目は、プロテアーゼなどを用いたタンデムリアクターによる連続反応技術のモデル系の構築とともに、ターゲットであるプロスタグランジン合成系構築に必要な酵素の調製とその固定化に要する基盤技術の構築を行った。プロテアーゼ固定化マイクロリアクタを用いた高温でのタンデム加水分解処理処理により、加水分解が効率化されることを見いだした。このタンデムマイクロリアクタと質量分析装置を組み合わせることで、タンパク質分子内のリン酸化部位の同定やジスルフィド結合パターンの解析など、タンパク質の翻訳後修飾を効率よく分析する技法を開発した。また、プロスタグランジン合成においては、酵素の発現に成功した。精製した酵素を用いてマイクロリアクタの作製を行った。プロスタグランジン合成酵素も、我々の開発した方法で架橋することができた。また、分子間架橋することにより、溶液中よりもはるかに熱安定性が向上することを確認し、高温でプロスタグランジン合成反応を行うことで反応収率が飛躍的に向上できることを見いだした。
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Research Products
(15 results)