2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北本 仁孝 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (10272676)
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Keywords | ナノバイオ / スピンエレクトロニクス / マイクロ・ナノデバイス |
Research Abstract |
磁気ビーズをトンネル磁気抵抗効果型(TMR)磁気センサで検出するシステムを構築するために、水に高い分散性を有する磁性ナノ粒子と高磁気抵抗比を有するTMRセンサを作製することを目的としている。 磁気ビーズに関しては、高い水分散性を得るために導入したカチオン性高分子電解質であるpoly(diaryldimethylammonium chloride)(PDDA)を用いることにより、前年度に用いたPVPより10倍以上高い粒子濃度での分散溶液の作製が可能となった。またPDDAにおいてもFePtナノ粒子の規則化が確認でき、ブロッキング温度を室温以上にするための合成条件についても明らかにすることができた。またこのFePt粒子の形態としては3-5nmの大きさの粒子が集積して20-70nmの大きさのクラスタを形成していることがわかった。また水分散溶液の粘性も低く、100μm×50μmの大きさのマイクロ流路中を滞留することなく流すことができた。これらの検討により磁気センサによる高感度検出に必要とされる高い磁化率を得るための指針を得ることができた。 磁気センサに関しては、前年度に引き続きトンネル接合素子作製のためのプロセスを検討し、素子パターン形成の際の重ね描画精度の関係で5μm径と目標とする1μm径より大きいが、最終的な磁気トンネル接合素子を作製することができ、150%の磁気抵抗変化率を達成した。また導電性原子間力顕微鏡プローブを用いた電流-電圧特性から絶縁破壊電圧が1-2Vの間であることがわかった。これは従来報告されている磁気再生ヘッドと同程度である。ただし、作製時あるいは測定時の静電破壊により磁気抵抗測定においてデータを得る歩留まりが非常に低く、これを解決することが重要な課題であることも明らかとなった。
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