2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310080
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
長谷川 剛 National Institute for Materials Science, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究者 (50354345)
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Keywords | ナノデバイス / 走査プローブ顕微鏡 / 原子スイッチ / 固体電気化学反応 / 金属原子架橋 |
Research Abstract |
固体電気化学反応を用いて電極間での金属原子架橋の形成と消滅を制御して動作する原子スイッチの多機能化を目指した研究を行った。不揮発性・揮発性の選択性を実現するための研究では、ナノ球を用いたリソグラフィー法を用いて、異なるサイズの固体電解質電極を作製し、電子線照射による金属突起の成長を観察した。その結果、金属突起の成長が観察された固体電解質電極は一定以上のサイズを有していることが分かった。実際の原子スイッチ構造では、十個程度の原子からなる突起が形成されればスイッチ動作することから、不揮発性・揮発性の臨界電極サイズはさらに小さくなることが想像されるが、今年度の研究によって選択制御が可能であることが示唆された。また、原子スイッチの3端子構造化に関する研究では、ゲート電極に金属イオンの供給源となる活性材料を用いた素子構造を試作した。この結果、ゲート電圧操作のみで、イオン伝導体材料を挟んで設置したソース・ドレイン電極間に伝導パスを形成することに成功した。この際、ゲート電極とソース・ドレイン電極間は絶縁されたままであり、正しく3端子動作していることを確認できた。以上の結果を基に、平成21年度は以下の研究を行う予定である。不揮発性・揮発性選択制御に関する研究では、走査型トンネル顕微鏡の探針を対向電極とした素子構造により、臨界電極サイズに関する知見を得る。3端子構造に関する研究では、伝導パスが形成されるまでの全電流を測定することにより、動作メカニズムの詳細を明らかにする。
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