2008 Fiscal Year Annual Research Report
化学剤の検知装置開発を前提とした実剤を用いたイオン化基礎技術の研究
Project/Area Number |
20310100
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
木寺 正憲 The Institute of Physical and Chemical Research, イオン源開発チーム, 仁科センター研究員 (60360533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和也 独立行政法人理化学研究所, RI製造応用チーム, 専任研究員 (70221356)
榎本 秀一 独立行政法人理化学研究所, メタロミクスイメージング研究ユニット, 研究ユニットリーダー (10271553)
瀬戸 康雄 科学警察研究所, 法科学第三部, 部付主任研究官 (10154668)
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Keywords | イオン化 / 化学剤検知 / 差動排気装置 |
Research Abstract |
テーマ1:本年度は化学剤(擬剤)の導入法において、何揮発性剤のための霧化プローブを用いた液体導入装置を完成させた。テスト実験としてイソプロピルアルコールに1%のジクロロメタンを入れた溶液を噴霧し、高真空チャンバーへの導入を行い、また、プラズマにてイオン化し、質量スペクトルにて塩素の1、2、3および4価の増加を確認した。大気圧から高真空チャンバーへ導入する過程において差動排気部があるため、導入する剤の濃度調整は誤差が大きいが、ほとんどの剤種(擬剤)に対してイオン化に関する学術的な研究が行える環境が整った。テーマ2:極微量の擬剤に対する本システムの検出感度測定のため、濃度調整されたDFP、2CEES、クロロシアン、シアン化水素を通常のスローリークバルブを通して導入し、そのイオン化過程を観察した。このうち、DFPおよび2CEESについては、導入ラインにおける吸着が著しく、極微量の導入に対してはさらなる工夫が必要であることが分かり、来年度以降への課題となった。現在、導入ラインの見直しを行い、ラインの改造に取り掛かっている。また、クロロシアンおよびシアン化水素は大気だけの質量スペクトルとの差が現れ、現在詳細な解析を行っている。テーマ3:来年度以降予定している実剤を用いた実験は理研ではなく科警研で行うことになったので、来年は小型イオン源の製作、およびそれと質量分離部を当初計画していたTOFではなく小型四重極質量分析計とし、先の小型イオン源との組み合わせで可搬型のシステムを構築することとし、本年度はそれら仕様の算定を行った。
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