2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学剤の検知装置開発を前提とした実剤を用いたイオン化基礎技術の研究
Project/Area Number |
20310100
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
木寺 正憲 独立行政法人理化学研究所, イオン源開発チーム, 仁科センター研究員 (60360533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和也 独立行政法人理化学研究所, RI応用チーム, 専任研究員 (70221356)
榎本 秀一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10271553)
瀬戸 康雄 科学警察研究所, 法科学第三部, 部付主任研究官 (10154668)
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Keywords | ECRイオン源 / 化学剤 / 四重極質量分析計 |
Research Abstract |
テーマ1「miniECRIS-MSの開発」:小型ECRイオン源と小型四重極質量分析計の組み合わせによる装置は完成し、現在最終の評価試験を行っている。これらの組み合わせによる質量分析装置はほとんど例がなく、小型ECRイオン源の運転パラメータサーチだけでも大きな成果である。また、約100Lサイズの容積に収まる小型化は今後この装置の他分野への利用、例えば大気中危険浮遊粒子の高速識別や、血液などの生体試料中の金属元素分析など、各分野への応用が期待できる。 テーマ2「擬剤および実剤試料導入に関する研究」:大気を直接吸引し質量分析する装置として、吸着の激しい物質が多い化学剤に対する導入部への対処は重要である。吸着がしにくいテフロンなど材質選択への考察、および、ラインを加熱しておくなどの物性的に吸着を防ぐことへの考察と、またいくつかのパターンの実験を行い、吸着度会いに傾向が見られた。また、素早くイオン化室へと導くために真空排気ラインなどの工夫も必要であり、それらの試作も行い、本装置に適した方式を考案した。 テーマ3「miniECRIS-MSの評価試験および課題の抽出」;ECRイオン源はイオン化室を高真空に保つ必要があるため、大気圧から高真空部への導入の工夫が必要で、かつ、小型化において真空排気の能力不足が見られたので対処が必要であった。また、先の大気導入部分は吸着の問題は払拭できていない。現在得られている質量スペクトルのS/N比から、吸着がない場合、おおよそ100ppmの測定感度があると考えられる。
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Research Products
(3 results)