2009 Fiscal Year Annual Research Report
アムールプレート日本縁辺の地震発生帯に関する構造地質学的研究
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20310103
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹内 章 University of Toyama, 大学院・理工学研究部(理学), 教授 (20126494)
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Keywords | 地震 / 地震発生帯 / 日本海東縁 / ひずみ集中帯 / 変動地形 / アムールプレート / 海底活断層 / 構造地質学 |
Research Abstract |
本年度は、アムールプレート東縁における地殻内中規模地震震源の断層形状を中部日本での事例で検討した。得られた知見は主につぎの2点にまとめられる。 1. 中越地域の地震テクトニクスに関する知見:2004年中越地震以来、同地域で実施しているGPS測地観測により蓄積されたデータから,2007年中越沖地震の余効変動を再解析して同地震の震源断層の形状を検討した。その結果、震源の複合逆断層による上部地殻の短縮には、デタッチメントの関与はないこと、一方、被覆層の地震時変形(活褶曲の成長)は、震源断層上端から派生した堆積層基底でのデコルマの存在を示唆した。 2. 北陸地方の活構造に関する知見:北陸には、陸域と海域にまたがる起震断層の存在が多い。今年度は、呉羽山断層を対象に、既存の反射法探査データの再解析により、深さ数kmまでの地下形状を検討した。その結果、断層面の傾斜は、地表付近の45度から深さ1km以上では54度と増加し、鮮新世の構造反転以前は、高角の正断層であったこと、すべりを生じにくいゆえに反転後は、断層関連褶曲が形成されたことなどが推定された。他方、内陸部の跡津川断層等の鉛直断層は、応力軸配置が転換しても反応しやすい構造であることが想定された。 ○比較構造論 なお,アムールプレート東縁と南に隣接する揚子プレートで活動性を比較検討するため、新生代にはテクトニックインバージョンが認められない「一方的な」活構造として中国四川省〓川地震の震源断層である龍門山断層帯との比較を開始した。
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Research Products
(9 results)