2009 Fiscal Year Annual Research Report
極大地震動の生成メカニズムの解明に基づく強震動予測手法の高度化
Project/Area Number |
20310105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 知孝 Kyoto University, 防災研究所, 教授 (80211762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 公之 京都大学, 防災研究所, 助教 (80452324)
飛田 哲男 京都大学, 防災研究所, 助教 (00346058)
関口 春子 京都大学, 防災研究所, 准教授 (20357320)
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Keywords | 極大地震動 / 2008年岩手・宮城内陸地震 / 震源インバージョン / 震源モデリング / 最大加速度 / 地盤の非・形応答 / ディレクティビティ効果 / 強震動予測 |
Research Abstract |
震源域等で得られた最近の強震動記録の収集を行い、極大地震動と考えられる記録として、2008年岩手・宮城内陸地展時のKiK-net-関西の記録と2007年能登半島地震時のK-NET穴水における記録に着目して、研究を行った。-関西の記録に対しては、本震時の強震動の前後のイベント記録を収集し、地中・地表記録の比較を行った。その結果、地表/地中の伝達関数が本震前、本震時、本震後によって異なること、P波部分、S波部分に関わらずその伝達関数は上下動がP波の、水平動がS波の伝達関数に対応していることが示された。また、本震時には非線形応答が見られており、表層付近のみかけの速度が低下していることが推定された。本虚後の伝達関数はP波、S波ともに本虚前のそれらと異なっており、強震による物性の変化を示唆する。これに関係して、-関西においての微動観測等を行った。一方、穴水においては、地表の記録からだけであるけれども本震時の非線形性が見られているが、本震後にその特性は戻っていることがわかった。 強震動の成因である震源特性について、地殻内地震の既往震源モデルからアスペリティでの応力降下縫を推定し、応力降下量の深さ依存性を示した。同じ地震規模においては地殻内地震より地震動の短周期レベルが大きく、妓大加速度値が大きくなる傾向にあるスラブ内地震についての震源モデルを収集して、アスペリティモデルに基づくアスペリティの応力降下仕を求め、地殻内地震のそれより大きいことを示した。また、震源での広帯域強震動生成メカニズムを調べるため、ウェーブレット係数を用いた新しい震源インバージョン手法を開発した。これらの震源特性に関する成果は極大地震動を予測する方法の高度化へ結びつけることができる。 以上の研究成果は学会発表のほか、学術雑誌に論文として公表されている。
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Research Products
(6 results)