2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボローム法を基盤とした概日計中枢由来細胞の位相シフトと細胞間同調機構の解析
Project/Area Number |
20310119
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
程 肇 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (00242115)
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Keywords | 概日リズム / 視交叉上核 / 時計遺伝子 / メタボローム / データベース / CE-MS |
Research Abstract |
哺乳類の遺伝的に決定された内在性の概日時計の本体(細胞)は、脳視交叉上核(Suprachiasmatic nucleus ; SCN)にある。概日リズムの形成には、多様な分子の複雑な相互作用によるネットワークが機能していると考えられる。よってこのネットワークの基本構造を理解するには、概日時計細胞内や細胞外の各種代謝物質の濃度を経時的かつ網羅的に定量した統合データベースの構築と、さらには最先端の情報科学分野の解析技術に基づくモデル化が必要である。このためには、中枢と末梢組織のリズム位相を細胞レベルで特定する方法、及び代謝産物の効率的な網羅的解析法の開発が必要である。本研究では、このPeriod1::luciferase導入SCN由来細胞及び末梢性細胞について最新の方法によるメタボローム解析を行い、それぞれの細胞内で概日振動を示す低分子を探索しデータベース化する。さらに、SCN由来細胞同士のリズム同調分子、並びにSCN由来細胞が末梢性細胞の概日リズムの同調をおこなう際に作用する分子の検索を進める。前年度までに、Per1::luc導入SCN由来細胞を用いて、検出できうる約800種の代謝物質のメタボローム解析を実施し、位相同鯛時に細胞のエネルギー状態とアミノ酸生合成系ならびに脂質代謝系が時刻特異的に大きな変化を示すことがわかった。今年度さらに解析を進めた結果、概日リズム振動形成に薬物代謝系酵素群が重要な機能を果たしていることが明らかになった。
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[Journal Article] The uterus sustains stable biological clock during pregnancy.2010
Author(s)
Akivama S, Ohta H, Watanabe S, Mori ya T, Hariu A, Nakahata N, Chisaka H, Matsuda T, Kimura Y.Tsuchlva S, Tei_H.Okamura K, Yaedashi N.
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Journal Title
Tohoku J Exp Med.
Volume: 221
Pages: 287-298
Peer Reviewed