2009 Fiscal Year Annual Research Report
産業微生物物質生産・変換における包括的解析基盤の確立
Project/Area Number |
20310122
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
池田 治生 Kitasato University, 大学院・感染制御科学府, 教授 (90159632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 智 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 講師 (30236351)
小松 護 北里大学, 北里生命科学研究所, 研究員 (40414057)
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Keywords | 染色体再構成 / 放線菌 / 2次代謝産物 / ゲノム / 産業微生物 |
Research Abstract |
本研究は物質生産および変換のための包括的な解析基盤を構築するため以下の3つの課題に分け検討する。1. ゲノム情報を基盤とした染色体再構成による主要2次代謝産物生合成遺伝子群が欠失した大規模欠失株の構築。2. 溶原化ファージの組み込み機構を利用した染色体組込み型ベクターの開発。3. ゲノム情報を基盤とした高発現および誘導可能なプロモーターの検索およびその実験的検証。昨年度に開発したCre-loxPを用いた染色体の欠失によって、本年度はS.avermitilisから10数種の欠失体の取得を行うことができた。これらのうち、最も欠失領域の大きい欠失体は野生型の菌株の81.46%であった。得られた欠失体は、形態的な変化もなく、また生育のための特別な栄養素を添加せずに、完全合成培地での生育が可能であった。本欠失体は内在性の主生産物の生合成遺伝子群を欠失させているため、2次代謝産物を全く生産しない。また、テルペン化合物生合成遺伝子もほとんど欠失しているため、これら内在性のテルペン化合物も全く生産しないことを確認した。この株を中心に異種菌株の2次代謝生合成遺伝子群の発現を解析した。S.griseusから得た、ストレプトマイシンの生合成遺伝子群およそ35kb、S.clavuligerusから得たセファマイシンC生合成遺伝子群およそ30kbを昨年度開発した、染色体組み込みベクターに連結し、上記欠失株に導入した。それぞれの遺伝子群を導入した形質転換体から、ストレプトマイシンおよびセファマイシンCの生産を確認することができた。また、それらの生産量はそれぞれの原株よりも多く、代謝全体が効率良く稼働していることが確認することができた。なお、生合成遺伝子群を導入したが、その遺伝子群の発現が確認されないものが2種あった。最終年度に、この原因の解析とさらに2次代謝産物生合成遺伝子群の発現を調節する上位の制御機構に関して検討を行う。
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Research Products
(11 results)