2008 Fiscal Year Annual Research Report
地下深部生命圏の遺伝子資源保全へ向けた環境ゲノム調整法と多様性解析
Project/Area Number |
20310124
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
高見 英人 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 極限環境生物圏研究センター, プログラムディレクター (70359165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 沙耶香 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏研究センター, ポストドクトラル研究員 (20470122)
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Keywords | メタグノム解析 / 極限環境 / 地下生命圏 / 微生物多様性 / 遺伝子資源 |
Research Abstract |
地下生命圏における微生物と遺伝子の多様性解析を行うに当たり、平成20年度は下北半島東方沖掘削コアサンプルのうちこれまでDNA抽出が終了していなかった掘削深度の異なる4サンプルからのDNA抽出を行った。抽出されるDNA量は堆積物の質によっても異なるが、今回のサンプルでは、掘削深度が深くなるに従って抽出されるDNA量が劇的に減少し、海底面と比べると掘削深度348mからの抽出DNA量は1/1000以下であった。DNA抽出量が少ないサンプルについては、ショットガンライブラリーの作製が困難なため、φ29のDNA polymeraseにDNA増幅キットGenomiPhiを用いてDNA増幅を試みた。海底下5m〜348mまでの6サンプルから抽出されたDNAをそれぞ1ngずつ用いて増幅を行ったところ、海底下5m〜107mまでは1ngのDNAが90分の反応で100倍以上に増幅されたが、217mと348mではDNA増幅量は少なくネガティブコントロールと比べても大差なかった。増幅産物の評価のために増幅産物を鋳型に16SrDNAをPCRにて増幅し塩基配列を決定したところ、DNA増幅が見られた海底下5m〜107mまではφ29によるDNAの増幅前後で16SrDNAのパターンに大きな差は見られなかったが、217mと348mでは増幅後にキットなどからのコンタミと思われる大腸菌の16SrDNAが3割以上検出され、サンプルによっては注意を要することが判明した。そこで、明らかにコンタミとわかる微生物由来のDNAを増幅産物から除去するための検討を開始した。最もコンタミの可能性が高い微生物の一つと考えられる大腸菌のDNAを磁気ビーズに固定し、それによる増幅産物からの大腸菌のDNA除去がどこまで有効かを現在確認中である。本方法が有効と判断されれば、それによって大腸菌DNAが除去されたサンプルからのライブラリー作製を試みる予定である。
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